「n=1」理論は本当に正しいのだろうか
最近「n=1を積み重ねよ」という説が広まってきている。
あなたの商品やサービスにお金を払ってもらう顧客に聞くのが一番制度の高いフィードバックが得られるから、当たり前に大事なことである。
ただ、これまでの顧客調査では「n=多数」の顧客調査が当たり前に行われいた。
それがここにきて機能しなくなったことがn=1理論に火がついている理由だと思われる。
「大勢の国民」に対してのマーケティングでは昔ほど売れない時代になっていることに気づき、n=1の重要性を感じはじめているということだ。
とはいえ、まだまだ多くの企業は統計データ的な情報をもとに市場の成長性を見極めようとしている。
ではどちらが正解かというと、どちらも正解。
n=多数を把握しながら補完要素としてn=1の情報を溜めていくことで、
市場のトレンドを掴みながら商品をブラッシュアップし、かつ個人に届きやすいメッセージで届けられるからだ。
世の中は割と「これはもう時代遅れだ、これからは○○が来る!」という強いキャッチコピーで語られる事が多いが、それは「本を売りたいから」だけである。
「これもいいけど、これが今後使える」
というコピーに人は動かされないから、そういう的を得ない理論を展開してしまう。
現実的には「n=多数、n=1それぞれをみて、商品やターゲットによってポジション、コミュニケーションを変えていく」が正解である。
n=1理論はあくまで「一つの説」として捉えよう。