スケジュール管理に失敗する~体調不良から学ぶ心と体の余白~
それは10月のこと。
自律神経失調症をはじめとした複数個の病を抱え、HSP気質でもある私はとある失敗をした。
それは、minneのハンドメイドマーケットに初出展することに向けて製作や設営用のアイテム探し、いつもの在宅ワークに加えて、1週間に1度、酷い緊張感を伴う予定を毎週入れてしまったことだ。
緊張を伴う予定がある時、私のメンタルはいつも首元にナイフを突きつけられているような感覚に囚われる。学生時代からそのようなところがあって、試験の時など周囲の友人たちが「嫌だなぁ。試験、伸びてくれればいいのにね」と言うのに対して、私は「今直ぐでも良いから試験をやってほしい」と答えて周りを驚かせたことがあったのだが、要するに私としては首元に突き付けられたナイフから解放されたいのでとっとと試験をやっていしまいたいという精神状態だったわけである。
普段はそういう“ギリギリ”の状態のプレッシャーを感じないように、緊張感を伴う予定を組み込む時は日頃からスケジュール管理を徹底しているのだが、10月に関しては来年に持ち込みたくない案件があったのでどう頑張っても詰め込むしか選択肢がなかったのだ。
故に、1週間のうち2日間寝込むのを4回もしてしまい、8日間もベッドの上の住人となり、予定していたプライベートのイベントを複数個諦める羽目になった。
自律神経失調症の治療でお世話になっているクリニックの女医さんに「予定を終えた途端に寝込んじゃって、8日も無駄にしたんですよ」と泣きつけば、「多分、本当にお疲れだったのだと思いますよ。ゆっくり休むのも心身にとってプラスになりますから、そんなに焦らないで」と励まされた。だからと言って、8日も寝込むなんて社会人としてどうなんだろうと落ち込んだ。同じく自律神経失調症やメニエールで闘病している人たちは外勤しながら病気と向き合っているというのに。
多くのメンタルカウンセラーさんがおっしゃることは、メンタルに潤いを与えるために「時間の余白を作ること」だそうだ。つまり、メンタル不調を抱えている状態の時にスケジュールをあまり詰め込み過ぎないということでもある。そういう面でも私は初歩的なミスを犯したわけで、自分の心身の状態を過信していたところもあったのかもしれない。
そんなもやもやを話せば、京都の友人は、「緊張せぇへんためには、沢山失敗することや。そして、その緊張する事柄を重く考えへんこと。ゲームの任務を遂行中ぐらいの軽く考えておくんや。うちなんて、失敗も成功もすべて誰かとしゃべくる時の話のネタにするためのもんやとしか思ってへんで。例えばみんなのいる前で失敗して青い顔しとったら、『あの人、失敗した人やで』というレッテルでいつまでも終わるけど、『うちあの時失敗して、どないしようと思ったねん。あははははは』とネタにしたら『あの人おもろい人やん』と面白い人として脳裏に刻まれるわけや」と言う。ネタか。さすが関西人とその発想の転換を尊敬する。。。
「それと、自律神経失調症やのに、メニエールなのに、こない頑張ってる自分って偉いねん!と自分を褒めてやったら、寝込むことないねん。それが今の自分にとっての精一杯なんやとわかるやろ」
今の自分にとっての精一杯。
それ以上を望んでどうするんだと、ふと気付かされた。
そうか、私はスケジュール管理も失敗してないし、緊張する予定においてもちゃんと遂行した。病身の状態で寝込みながらも遂行できた自分は偉い。寝込んだのは頑張った分の休息。諦めたプライベートの予定はまた立て直せばいいし、もしかしたら時が熟してなかったのかもしれない。こんな風に発想を変えていけば、心が楽になる。
そうやって自分を元気付け、仕事や家事を無理せず、ゆっくりと起き上がって早めに休むを繰り返し、ようやく日常に戻った翌日のこと。
「きゃぁぁぁ!!!」
と一階から大きな悲鳴。
何事かと思い飛んでいけば、肋を押さえてのたうち回る母。
「どうしたの!?」
「家具にぶつかって、肋を打った。ひびいったかも」
と涙目で言う。
何故、壁にある家具にぶつかるのか。まったく理解できないが、あの天然な母だから何かしらの妙なミラクルを起こしたに違いない。
現実は私を休ませてはくれなかった(笑)
HSP気質の私には、家族の行動の一つ一つがちょいと刺激的すぎる。
~おまけ~
京都の友人「何!?ママが一人で壁にぶつかって肋を折ったって?」
私「折ったんじゃなくてヒビがはいったみたい。それと、壁じゃなくて家具にぶつかったのよ」
京都の友人「どうして家具? まさか一人で部屋の中を走り回って激突したん?」
私「さぁ。子供じゃないから流石に走らないかと思うけど。本人に聞いても、家具の脇にある帽子だか何かを取ろうとして”飛んだら”、肋をぶつけたっていうのよ」
京都の友人「・・・・・!(笑)」
無言になってしばらく笑い転げている京都の友人につられて私も思わず笑う。猫じゃないんだから、何で家具に向かって飛んで行ったんだか、母の行動は理解できない。ただ、またしても大幅に狂ったスケジュールを調整しないと、私がまた寝込むことになるのであちこちに電話を掛けて私の予定や母の通院日を調整する。
こうした突発的な出来事にも動揺しないで、体に負担をかけずに過ごしていくためには、やはり時間の余白が大事なのだととても実感している11月のとある日。
この度はサポートして頂き、誠にありがとうございます。 皆様からの温かいサポートを胸に、心に残る作品の数々を生み出すことができたらと思っています。