夏にはさらに香しい「花の都」パリ。
パリには毎年1月に定期的な用事があり、コロナ前までは10年くらい毎年来ていた。
そのほかにもトランジットのついでなど、多分30回以上来ているはず。
しかしながら、ほとんどが仕事だから、地下鉄や徒歩でガンガン移動することはない。
そういう意味では、今回初めて真夏のパリを経験したのだと思います。
感想はともかく陳腐ながら「香(かぐわ)しい」。
どこもかしこも凄い。
なんでこんなに凄いのか。
今回初めて実際に、地下鉄構内の溝で白昼堂々、ミッションされている男性を見た。
ああ、なるほど、そういうことか。
そりゃあ、こういう匂いになりますよね。
パリは極端にトイレが少ない街だ。駅には無いし、デパートでも隠れていてよくわからない。
カフェやレストランも外観とは裏腹にトイレは絶望的だったりする。
歴史を紐解くと、ルイ14世は生涯お風呂は2回だけとか、体臭こそセクシーとか、体臭をより際立たせるためにオーデコロンは発明されたとか、ヴェルサイユ宮殿にはトイレは1つとか、穴の開いた椅子に座って晩餐会をしていたとか、市民は汚物は道路に投げ捨てていたとか、それが原因でペストが大流行とか、ともかく、あまりトイレや衛生に関心がない街だったよう。
そういう生活感は人は変われども、何百年経ってもあまり変わらない感性なのでしょう。
公衆トイレは毎年増えているそうだし、当然、我々外国人はトイレを使うわけですが、現地の方々がそんな変わるか?少し疑問。
それはもう教育と言うよりDNAなんじゃないかな。あるいは信念。
そもそもトイレは農耕の発達により、人が定住するようになってから進化してきたと言われ、遊牧民には必要ないものらしい。
現在でも伝統的な狩猟スタイルで暮らすボルネオ島の狩猟採集民「プナン」たちは、その辺に用を足すそう。糞尿で汚染されたら、また違う場所に移動すればいいだけだから。
フランスはご存知のように、かつては一大帝国を築いた国。定住という安定を求めず、常に世界を目指す姿勢が地下鉄の匂いに現れているのかも知れないし、そうでないかも知れない。
いくら地下鉄や道路が香しかろうが、フランスは美しい芸術を生み出すし、世界一のお金持ちLVMHベルナール・アルノーさんなども生まれるわけです。
縁起、因果というのは人の想像を絶するものですね。