禁断のオリーブオイルケーキ
昔、食育通信onlineというサイト用に作ったレシピです。禁断の、という名前の由来は常軌を逸した量のオリーブオイルを使うから。オリーブオイルをテイスティングしているとレモンや青いイチゴの風味といったニュアンスを感じるオイルと出会うことがありますが、そうしたフルーティ系のオイルを使うと上手くいきます。
オリーブオイルケーキ
A バニラペースト 2g(またはバニラオイル 少々)
A グラニュー糖 80g(甘さ控えめが好きなら60g)
A 卵黄 2個(38g)
A レモン汁 25g
A レモンの皮 1g(少々)
EV オリーブオイル 160g
小麦粉(薄力) 110g
卵白 110g(4個分)
グラニュー糖 50g
〈仕上げ用〉
グラニュー糖(細粒) 15g
塩 3g
お菓子作りが趣味の方はオイルの量に驚かれると思います。通常のケーキに使う油脂の量は小麦粉にたいしてパウンドケーキで100%、スポンジケーキで20〜40%が適当です。しかし、このレシピでは100%を越す量のオリーブオイルを投入して、風味を出します。パティシエは絶対につくらないレシピで、作る人もいないと思うので、読んで楽しむたぐいのレシピと思ってください。
高比率で脂が含まれているケーキにシフォンケーキがあります。シフォンケーキは50%ほどの油脂を加える事であの食感を実現しているわけですが、このレシピではその製法を応用しています。油っぽさを緩和するためにレモンの皮で風味をつけていますが、ローズマリーのみじん切りを加えてもいいと思います。
型はなんでもいいのですが、今回はマンケ型を使いました。薄くバターを塗って、小麦粉をふっておきます。基本ですね。もっと軽い仕上がりにしたければシフォン型を使います。その際にはバターや小麦粉は塗りません。シフォンは型に生地を貼り付けることで、しぼむのを抑えるためです。
小麦粉はあらかじめ計り、振るっておきます。オーブンも170度に温めておきましょう。
さて、Aの材料をすべて混ぜ合わせます。レモン汁の量は結構、多め。酸味を加えることで、オイルとの味のバランスをとります。
マヨネーズをつくる要領で少しずつオイルを入れ、乳化させていきます。
大き目のボウルで卵白を泡立てます。電動ミキサーなら砂糖をあらかじめ半分ほど入れてしまってから泡立ててかまいません。手動なら砂糖を入れずに泡だてはじめます。
ある程度、泡立ってきたら、、、
三、四回にわけて砂糖を加えていきます。振り入れるようにするのがコツ。
砂糖を入れることで泡がしっかりとします。
角が立つまで泡立ちました。電動ミキサーで泡立てる場合でも最後は手で泡立てて、泡のきめを細かくすることを忘れないようにしてください。
ここからはゴムベラを使います。まずはふるった小麦粉をマヨネーズ状の乳濁液とあわせ、粉気がなくなるまで混ぜます。
泡立てた卵白を少量加えます。これは捨てメレンゲといい、あとから加えるもの生地をなじませるためのメレンゲです。
混ざったらメレンゲの入っているボウルに乳濁液を移します。メレンゲを乳濁液に加えてもいいのですが、ボウルの大きさの都合にあわせただけなので、どちらでもOK。
ゴムベラで大きく折り返すように混ぜていきます。しっかりメレンゲを泡立てていれば泡はそう潰れませんが、混ぜ過ぎには注意。
生地のできあがりです。
型に流しましょう。ふわっとした食感を出したいので低い位置から流し入れます。フランス人のパティシエは高い位置から生地を落とし、泡を殺してしっかりとした味のあるスポンジを焼く傾向がありますが、どちらでも目指す味にあわせて選びましょう。
170度のオーブンで30分、焼きます。焼き上がりの目安は串をさして生地がついてこない状態。
今回はデザートとも料理ともつかないような甘塩の仕上げにします。オリーブオイルと塩味はあいますし、塩がないとちょっと油っぽい感じになるので……砂糖と塩を混ぜるだけです。
ある程度、冷めたら、甘じょっぱい塩+砂糖を全体にふりかけ、出来上がりです。冷めると萎みますがそういうケーキなので気にしないでください。
とても軽いケーキです。食べると塩に驚き、次にオリーブオイルの香りが口に広がるはずです。そして、最後は甘いという不思議な味。他になにか添えるなら、トマトのジャムなどがよくあいます。オイルの配合をどこまで増やせるか実験していて作ったレシピ。驚きを優先する配合です。
撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!