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たまの贅沢『トマトすき焼きの作り方』

昭和の時代の贅沢といえば牛肉を使ったすき焼き。すき焼きは家でつくるのが経済的にも一番です。焼肉などの他の肉料理と比べるとすき焼きの弱点は酸味がないこと。そのため、最近の脂の多い和牛ではややくどく感じるのか、敬遠されることも。

トマトすき焼きは青柳の主人、小山裕久氏が考案した料理。もともとは家庭で食べていた料理らしく、今では多くのお店で食べることができます。すき焼きにトマトの酸味とグルタミン酸の旨味を加えることで、和牛がさっぱりとおいしく食べられます。

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割り下
みりん  200cc
日本酒  100cc
醤油    50cc

小山さんの割下は吉兆風なのでみりんと日本酒、醤油が4:1:1だったと記憶していますが、僕の割下は酒がやや多い配合です。これがおいしい。

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みりんと酒をあわせて強火にかけます。

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沸騰したら弱火に落として1分間ほど煮ます。最後に醤油を入れれば割下の完成。

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冷ましておきましょう。瓶などにつめて冷蔵庫でしまっておけば数週間は持ちます。割り下があれば牛丼や肉じゃがなど自由自在です。

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さて、トマトすき焼きの作り方です。副素材はトマト、玉ねぎ、にんにく、バジル。

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玉ねぎは繊維を断ち切るように輪切りにします。

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トマトはくし切り、ニンニクは薄切りにします。バジルの太い茎を外せば準備完了。他に具材は入れません。トマトすき焼きの場合は、ここに豆腐やしらたきが入るとバランスが崩れて味を損ねてしまうからです。

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和牛を用意。これは仙台牛の肩ロース。等級はA4くらいだと思います。グラム1000円で200g用意しました。二人分で300gあれば充分たっぷりという感じ。

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オリーブオイル大さじ1を中火で熱したすき焼き鍋に入れます。

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はじめにニンニクを炒めます。このニンニクの香りがトマトと牛肉の味を繋ぐ役割を果たします。パチパチ炒ってきたら焦げやすいので火を弱火に落とします。

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玉ねぎも入れてしまいましょう。

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トマトも投入。お店だと牛肉は玉ねぎの上にのせますが、すき「焼き」にならないので、僕は一枚だけちゃんと焼きます。

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最初に入れた牛肉は割り下の出汁の役割。あとから入れる牛肉をおいしくするための切り込み隊長的な存在です。片面に焦げ目をつけて香ばしさを出します。

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あとは肉を入れたり、トマトを足したり、好きに食べればいいのです。割り下が静かに沸いている状態を保つように火を強めたり、弱めたりします。

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肉が煮えたところから食べていきます。

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玉ねぎ、煮えた熱々のトマト、バジル、牛肉を一緒に食べると絶品です。もちろん溶き卵をつけて食べてもいいですが、個人的には溶き卵はないほうが肉自体はおいしく食べることができると思います。ただ「溶き卵があればふーふーしないで食べられる」という溶き卵愛好家もいるので、一応、準備しておいてもいいでしょう。たまの贅沢のトマトすき焼き。ここ一番なので、いい牛肉を用意してください。いい牛肉を使い、割り下をちゃんとつくれば絶対にまずくはならない料理です。

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樋口直哉(TravelingFoodLab.)
撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!