ハチミツのフィルム
最新調理テクニック紹介。『はちみつのキャビア』に続いてアガー(寒天)を使ったフィルムというテクニックです。
アガーは日本人にお馴染みの寒天のこと。ゲル化力が強く常温でも固まります。液体に対して0.05%でゲル化がはじまり、0.1%〜0.15%では半ゼリー状に、0.2%からほぼゼリー状になることを頭に入れておきましょう。90℃未満で溶けるのですが、いったん沸騰させることで状態が安定します。冷ますと70℃くらいからゲル化がはじまるので注意。
はちみつのフィルム
125cc 水
80g ハチミツ
2g 寒天
ハチミツを使っていますが、コアントローなどの洋酒を使う手もあります。その場合は液体175ccに対して粉寒天2gが目安。
材料をすべて混ぜ合わせ、火にかけます。
沸騰したらOK。
皿にのばします。
皿を回すようにして、薄くのばすのがコツ。
そのまま常温に置いておけば固まります。もしくは冷蔵庫で30分間。
バットでも大丈夫ですが、平らなほうがいいので皿を使っています。
固まったら丸く抜いて
慎重にはがします。破れやすいので注意してください。
こんな風に四角く切ってもOK。
使い方としては透けて見える性質を活かします。わかりやすいようにみかんの缶詰を包んでみました。今回は寒天だけで固めているためにゼリーがやや脆いので、1%重量のカラギーナンやゼラチンなどを混ぜると扱いやすいか、と思います。
そもそも寒天は日本生まれの食材ですが、限定的な利用に止まっている感があります。しかし、寒天は植物性のため宗教的禁忌の問題になりづらく、応用しやすい食材。ヘストンブルメンタールは液体のとろみづけにも利用しています(→流体ゲルのテクニック)性質を理解して、積極的に取りいれたいものです。
撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!