今晩のおかずに『鶏の照り焼き』
鶏もも肉を使って照り焼きをつくります。鶏の照り焼きを上手につくるにはフライパンを使って加熱するのが簡単。冷めても美味しいのでお弁当の主菜としても活躍してくれます。
鶏の照り焼き
鶏もも肉 1枚
塩 適量
酒 大さじ2
醤油 大さじ1
みりん 大さじ1
砂糖大さじ1
鶏もも肉です。塩をふるタイミングですが、チキンステーキとは違い、全体にふっくらさせたいので、焼く直前に振ります。この時、身側にだけ薄く振っておくのがポイント。皮は焼くときに油が落ちて、塩が流れてしまうので振っても無駄です。あとから調味料が入るので、塩はかなり控えめで大丈夫。
その前に肉を室温に戻すか否か、という選択肢がありますが、これくらいの厚さの肉であれば冷蔵庫から出したての肉でも調理時間を10%〜15%ほど伸ばすだけで上手に加熱することができるので、そこまでこだわらなくてもいいかもしれません。というわけで今回は冷蔵庫から出したての肉を焼いています。
冷たいテフロン加工のフライパンに皮目を下にした鶏もも肉を入れます。
オーブンペーパーなどをかぶせてから……。
1kgぐらいの重しをしてから、中火にかけます。イタリア料理でレンガを使って焼く技法がありますが、これで凸凹だった鶏の皮がフライパンに密着します。重しには鍋やヤカンが適していますが、鍋底はあまりきれいではない可能性があるので、かならずペーパーをかませましょうね。
さて、火加減は最初から弱火だと皮目のコラーゲンの分解が進まず、カリッと感が弱くなります。鶏皮は50%の水分、40%の脂肪、そして3%の結合組織コラーゲンでできていることを思い出してください。かといって火が強いと先に焦げ目がついてしまい、脂が十分に抜けきりません。そこでスタートは中火です。
鶏肉を焼くときは皮と身という性質の異なる2つの素材を焼く気持ちで調理すると上手くいきます。肉の表面には香ばしい焼き色がつき、内側は加熱しすぎずジューシーが理想。つまり、高温と低温という二つの温度を達成することが焼く料理の目標ということです。
重しをすることで鶏の皮目からきちんと脂を抜きます。かといってずっと重しをしていると今度は肉が潰されて、スポンジを絞るように肉汁が出てきてしまうので、いい頃合いを見極める必要があります。
肉のまわりの色が白く変わり、皮目に焦げ目がついたら頃合いです。この状態では肉はまだ生。
皮目にきちんと焦げ目がついたかは目で確認するのが簡単です。裏返したら火を止めて、フライパンの底に溜まった鶏の脂をキッチンペーパーでとりのぞきます。
酒大さじ2、醤油大さじ1、みりん大さじ1、砂糖大さじ1を加えます。皮目はコラーゲンを分解させ、しっかりとした焦げ目をつけるために高い温度が必要でしたが、身側には必要ありません。そこで調味料の水分を介在させることで水の沸点である100℃以下で加熱します。
蓋をして、5分間蒸し焼きにします。目標とする中心温度は好みで60℃〜65℃くらい。5分経ったら蓋をあけて、火を止め、2〜3分間休ませます。
休ませることでも火が通ります。まな板にとりだして切ってみて「うわ、生だ」となったらもう一度、鍋に戻して加熱することを繰り返します。多分、大丈夫だとは思うのですが、端を切って確認しても、流れ出る肉汁は部分的なので慌てず騒がずきちんと確認しましょう。温度計を刺すのが一番、確実です。
照り焼きのタレもいい感じに煮詰まっている確認します。砂糖が入っているのでとろみはついているはず。煮詰め具合が足りない場合は肉をとりだしてからさらに加熱します。
肉を切るときはまな板に皮目を下にして鶏肉を置いて切ると皮がはがれにくいので楽です。とはいえ包丁が切れればそんなことは関係ないのですが、一応。好みで山椒を振りかけるのがおすすめです。これは「焼く」+「蒸す(煮る)」の合わせ技。お弁当に入れる場合はもう少し薄いほうがいいので、冷めてから切りましょう。これはご飯がすすむ味ですね。
撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!