カンタンで濃厚なレバーペーストの作り方
以前はたまにケータリングなどで料理をしていたのですが、そのときに定番でお出ししていたのがこのレバーペーストです。よく「作り方を教えてください」と言われるので、こちらで公開します。
鶏レバー 正味100g程度
牛乳 125cc
水 125cc
塩 10g
バター 65g〜70g
ブランデー おおさじ 1
昔は本当にいろいろなものを入れていたんですが、だんだんシンプルになってきて現在はこんな形に落ち着いています。これ以上ないくらい簡単な作り方です。
まずは鶏レバーから。スーパーや精肉店ではこんな風に心臓がついた状態で販売されていることが多いと思います。150g程度のレバーを買えば、心臓を抜いた正味で100g〜120gくらいです。細かい部分は気にしないでも大丈夫。
今回はたまたまですが、白レバーですね。白レバーは脂肪分の多いレバーで、雌鳥の肝臓です。肉にするのは雄鶏で、雌鳥は卵を産ませるので、その分、ちょっとだけ食用にする頭数が少ないので、昔は貴重と言われていました。今では結構見るようになってありがたみがなくなりましたが……。
下処理です。レバーペーストには心臓は使わないので、切り落とします。
肝臓は大きな塊と小さな塊のセットになっています。まずそれを分けます。
次に太い血管を目印にして半分にカットします。
血の塊が出てくるので指か包丁の先でかき出します。
次に牛乳、水、塩を混ぜた液体に30分漬けます。臭み消しと下味のためです。スペインにあるムガリッツというレストランのシェフ、アンドニ・ルイス・アドゥリスがフォアグラの下処理に牛乳1.2l、水1.2l、塩200gの液体に漬けて血抜きをしていました。これがすごく状態がいいので、鶏レバーで応用することにしました。
冷蔵庫で30分経ったらこんな状態。
表面の水気を拭っておきます。
アルコールにはブランデーを使います。レバーの臭みはアラキドン酸という物質が酸化することによって生じます。そのため、加熱はしすぎず、それも短時間で済ませるのがセオリー。中国料理では豚や鶏のレバーを高温の油に通しますが、油のなかであれば酸化は少ないわけで、理にかなっていると思います。さすが内臓類の調理に関しては中国料理に一目の長がありますね。
熱したフライパンでレバーを焼きます。火加減は中火です。
片面が香ばしく焼けたら裏返してブランデーを加えます。
火を止めて予熱で5分、火を通します。
レバーが温かい状態(50℃〜60℃くらいですが適当でもかまいません)でバターと一緒にフードプロセッサーにかけます。
胡椒を加えて、味見をします。基本的にはうっすらとした塩味がついていますが、好みで塩を足してください。もっと最終的な塩味はあとから載せたほうが安全だと思います。
フードプロセッサーがなければミキサーでも大丈夫。問題なくつくれます。
容器にうつしてラップをして冷蔵庫で3時間以上。バターが入っているので固まります。
出来上がり。バケットのスライスを添えて提供します。
オススメの付け合せはレーズン。レバーペーストにはちょっと甘みのある付け合せがあいます。ここでフルール・ド・セルのような粒子の大きい塩を振ってもいいか、と思います。フォアグラのパテにも負けない味です。