基本のマンゴープリンの作り方
マンゴープリンはプリンと名前がついていますがゼリー系のデザート。八十年代の香港生まれとされていますが、日本に入ってきたのはマンゴーの輸入が解禁された90年代のこと。
マンゴープリンのレシピには大きく分けると「卵(カスタードソース)入り」と「卵なし」「マンゴーがピューレ状」「マンゴーの果肉感あり」があります。今回、紹介するレシピは卵なしで、果肉感を残すパターンです。
マンゴープリン
冷凍マンゴー 200g(今回は写真の冷凍マンゴー2袋)
グラニュー糖 30g〜40g
水 200cc
ゼラチン 5g
生クリーム(38%でも45%でも乳脂肪の生クリームを) 50cc
マンゴープリンには安価なフィリピン・マンゴーを使うのが一般的ですが、このレシピではアルフォンソマンゴー系の冷凍を使っています。ここ数年、マンゴーの主張産地の1つであるフィリピンでマンゴーの不作が続いているので、産地が心配ではありますが、アルフォンソマンゴーのほうが甘みが強い仕上がりになります。フィリピンマンゴーなら50g〜70gの砂糖が必要でしょう。
冷凍マンゴーは冷蔵庫で解凍しておきます。今回はセブンプレミアム(タイ産マハチャノック種)と100円ローソンセレクト(ベトナム産。おそらくカッチュー種だと思います)を混ぜて使っています。日本に輸入されているマンゴーは防疫処理の関係で、すべて青い状態で輸入されているので、追熟させる必要があり、この見極めがなかなか難しいのですが、冷凍マンゴーであればその心配が無用というメリットも。
ゼラチンは板ゼラチンでも粉ゼラチンでもどちらでもOK。プロは扱いの簡単さから板ゼラチンを使いますが、入手しやすいのは粉ゼラチンでしょうか。
まずはゼラチン液をつくります。写真の砂糖は上白糖ですが、グラニュー糖のほうがさっぱりとした甘さに仕上がります。砂糖の量は好みで加減できます。
小鍋にすべての材料を入れて、火にかけます。
液体の温度が60℃になればゼラチンは溶けます。溶けたことを確認したら、火を止めます。ゼラチンは寒天と違って常温では固まりません。そこでしばらく放置して冷ましておくとこの後の工程がスムーズです。
冷蔵庫から出したての冷たいマンゴーを泡立て器で粗くつぶします。ミキサーではなく泡立て器で潰すことで果肉感を残すのが、このマンゴープリンのおいしさの秘密です。マンゴーのマンゴーらしさは香りの他に繊維感にあります。繊維を残すことでマンゴーっぽさを強調できるのです。
さきほどのゼラチン液を混ぜます。マンゴーが冷たいので液体の温度も下がります。
生クリーム50ccを混ぜます。ゼラチン液の粗熱がとれていればマンゴーの冷たさで液体に濃度がつき、加えた生クリームが分離して底に沈んでしまう失敗を回避することができます。
あとはラップをかけて冷蔵庫で冷やすだけです。ボウルで固めてスプーンですくってもいいですし、一人前ずつ器に流してもOK。大きいボウルなら6時間〜8時間、小さい型なら3時間はかかるか、と思います。
一晩冷蔵庫に入れた状態です。果肉感が伝わるでしょうか?
冷凍マンゴーを使うことで年中、同じ味が楽しめます。旬という観点からはつまらないですが、マンゴープリンは前日につくって冷やしておけるので普段のデザートには便利です。
ちなみにこのマンゴー。ウルシ科の植物なので、漆アレルギーの方は要注意。もっとコクを出したければ砂糖を減らし、水の一部を溶かしたバニラアイスクリーム(カスタードソースの代わりです)にするテクニックもありますし、レモン汁で味を引き締めてもいいかもしれません。
撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!