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朝食に朝がゆ(和風)

朝食シリーズです。今日は朝がゆ。身体にやさしいお粥は食欲のない朝にぴったり。精進料理で粥は特に重要な位置にあり、北栄の禅師、芙蓉道楷禅師は「お米が足りていれば炊飯し、不足した時はお粥にしなさい。それでも足りないときは湯を足して重湯にしなさい」と説きました。

米 半合(75g)
水 800cc
塩 適量

今回の朝がゆは大事な米の粒が割れずに、さらっとした仕上がりを目指します。中国料理の粥は米粒が割れることが大事なので、お国柄で方向性が違うということですね。

米は研いでざるにあげておきます。30分間ほど置くと、表面の水分が浸透し、加熱時間が短くなります。ここまで準備して、ビニール袋に入れておくこともできます。

さて、昔から「粥は水から、土鍋でじっくりと炊きなさい」と言われています。しかし、今回の目的は『お米の粒が割れていない』こと。そのためには昔からの言い伝えを無視して、別のアプローチをとります。1つの目のポイントは金属の鍋を使うことです。金属の鍋のほうが水の対流がきれいに起きるので、米が底がくっつかないからです。

2つ目のポイントは水から炊くのではなく、熱湯に生米を入れること。こうすると外側のデンプンが一気に糊化するので、デンプンが壁となって内側からの流出が減り、結果としておかゆがさらっとした仕上がりになります。

強火に沸騰させ続けると吹きこぼれるので火を弱めます。

3分経ったら一度だけ底を混ぜます。あまり混ぜすぎるとデンプンが流出するので注意。このまま15分間、炊きます。

15分経った状態がこちら。できたら火を止めて5分間、蒸らします。米粒が膨らみ、いい状態です。

好みで塩を振って、味わいます。醤油で味付けし、葛でとろみをつけた餡をかけると瓢亭風ですね。お粥はやはり出来たてがおいしいのですが、前日につくっておきたい場合、鍋を氷水に当てるなどしてなるべく早く冷やすと米粒が水を吸い込まずに、準備しておくこともできます。漬物や佃煮などを添えて。

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樋口直哉(TravelingFoodLab.)
撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!