鶏のから揚げの作り方
みんな大好き、鶏のから揚げ。専門店が乱立し、もはや作るよりも買ってきたほうが楽な気もしますが、今日は鶏のから揚げの作り方。
材料
鶏もも肉 1枚(300g程度)
醤油 大さじ1
塩 少々(約0.8g)
日本酒 大さじ2
生姜すりおろし 少々
にんにくすりおろし 半片
小麦粉 大さじ3
片栗粉 適量
鶏もも肉です。個人的には地鶏よりも銘柄鶏や若鶏(ブロイラー)のほうが揚げたときに柔らかく、から揚げに向いていると思います。写真は鳥取県産の「大山鶏」です。
ここで地鶏と銘柄鶏、若鶏の定義を確認しておきましょう。若鶏とはいわゆるブロイラーのこと。ふ化後3カ月未満のものを若鶏と呼び、名前の通りブロイル(ロースト)に適した肉鶏です。一方の地鶏は日本農林規格(JAS)で
1,在来種由来の血統が50%以上で出生証明ができる素びなを使っていること。
2,ふ化日から80日間以上飼育していること。
3,ふ化後は28日目以降は平飼いで育てること。平飼いとは、鶏舎の中また外で鶏が床や地面を自由に動けるようにして飼育すること。
4,ふ化後28日以降は1平方メートル当たり10羽以下の環境で飼育していること。
と定義されている品種。シャモや名古屋コーチンなど在来種の血が半分入っていること、また飼育期間が長いことが特徴です。一方の銘柄鶏には厳密な定義はなく、いわゆるブランド化した鶏。写真の大山どりなどは「飼育日数の長いブロイラー」と表現する人もいますが、バランスのとれたおいしい鶏だと思います。
高級な地鶏がおいしい、と思われがちですが、弱点は飼育日数が長い分、味は濃厚なものの、身や皮が固くなりがちなこと。唐揚げは外側の食感と中の軟らかさのコントラストがおいしさと定義すると、若鶏か銘柄鶏が向いているか、と思います。
余分な脂を落としますが、皮はなるべく残すようにします。
鶏肉のカット方法ですが、まずは半分にカット。
この時、できるだけ大きさが揃うようにちょっと考えながら切りましょう。
こんな感じに3つに切りました。
さらにカットしていきます。
大きさは3cm角くらいが目安です。
筋っぽい部分を見つけたら包丁の根本で叩いておくとソフトに仕上がります。から揚げは衣があるので、このような荒技を使っても平気です。
ボウルに入れて下味をつけていきます。まずは醤油。濃口醤油で味付けをする場合、300gに対して大さじ1が目安。おかずとしては醤油だけでは塩分が足りないので塩で味をバシッと決めます。塩約0.8gは塩ひとつまみ=親指と人差し指と中指でつまんだ量です。
日本酒を大さじ2加えます。酒を加えることで鶏肉がやわらかくなります。日本酒を必ず加えたいのは、アルコールが肉の繊維のあいだに入り込み保水性を上げ、含まれるアミノ酸が鶏の旨味を強く感じさせてくれるからです。
もう1つ、日本酒を加えるメリットは鶏肉に水分を足せることです。水分を足すことで温度の上昇がゆるやかになりますし、加熱によって失われる水分を補うことができます。もちろん、水分の加えすぎは厳禁。入れすぎると鶏肉の味が薄まってしまうからです。ジューシーさを求めるためにここで水を加えるレシピもありますが、個人的には不要かと思います。
から揚げっぽい香りを出すための香辛料を加えます。まずは生姜のすりおろし。
次にニンニクです。ニンニクは控え目に。
軽く和えます。鶏肉はすぐに調味料を吸い込むので揉み込まなくても大丈夫。揉む込むと皮が剥がれるのでやめておいた方が無難。
小麦粉大さじ3を加えて軽く混ぜます。もちろん、小麦粉だけでもいいですし、片栗粉だけでもいいのですが、両方使うことがポイントになります。片栗粉だけだと揚げたてはおいしいのですが、冷めるにつれてべったりとしてしまいます。(デンプンが水を含む訳ですから当然です)小麦粉を混ぜておくと衣の持ちが多少、よくなります。面倒なら片栗粉100%でも別の味わいがありますし、小麦粉100%だとソフトに仕上がります。
片栗粉を薄く表面にまぶし、皮の部分が外側にくるようにひっぱります。
唐揚げは普通、2度揚げします。1度目は150〜160度の低温で揚げ、内部を加熱していきます。低温で数分揚げ、鶏肉は一度とりだします。この工程によって外側から内側に熱が伝わるとともに、内部の水分が表面に出てきます。従って2度目の揚げは180度という高温で揚げ、表面に出てきた水分を飛ばし「カリッ」とさせます。これが鶏のから揚げを揚げる作業の基本的な考え方です。この時のポイントは【充分な揚げ油の量を確保】することです。揚げ油の量が少なく、投入する鶏肉の量が多すぎると(鍋の表面積の半分までが目安)温度の回復に時間がかかり、からりと揚がりません。
二度揚げは面倒という方にはもう1つのアプローチがあります。それは「冷たい油から揚げる」というもの。今回は後者の方法をとります。
フライパンに冷たい油を注ぎ、衣をつけた鶏肉を並べ、強火にかけます。さきほどは充分な揚げ油の量を確保することがポイントと書きましたが、鶏肉も油も冷たい状態からスタートするので油の量は問題になりません。むしろ、温度の上昇が早いので、少量の油のほうが有利です。
写真のように泡が立ちはじめた状態で油の温度は90度超。
泡が立ってきたら、火を弱火に落とします。ここからゆっくりと温度を上げていき鶏肉に火を通していきます。この状態で油の温度は150度。
鶏肉が色づいてきたら衣が固まり、触っても大丈夫なので裏返します。
良い色になり表面がカラっとしてきたらとりだします。最終的には180度くらいの温度の油で揚げていることになります。火にかけてからおよそ10分が目安。
重ねないようにしましょう。理想は中心温度65度なのですが、この時は70度でした。
少ない量を揚げるなら冷たい油から揚げるのはおすすめです。逆にたくさんの量を揚げる場合は油の量を増やし、通常の二度揚げのアプローチをとるのがいいでしょう。
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唐揚げのレシピも載っています。文章は全部、リライトしたので読みやすくなっているか、と思います。購入していただきたいですし、noteでも他のSNSでも簡単な感想などをお寄せいただけたらもっとうれしいです。