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2種類の焼きリンゴ~加熱時間による違い~

焼きリンゴはレストランではあまり見かけない家庭的なデザート。シンプルなおいし さが魅力です。まずは家庭向きのレシピから。

家庭的な焼きリンゴ(一個分)
 りんご(紅玉) 1個
 バター 10g
 砂糖 10g
 (opition)シナモン 1本

おいしくつくるために一番大事なのはリンゴの品種。写真は紅玉です が、他に国光や茜といった果肉が硬めで酸味がしっかりとした品種が向いています。 〈ふじ〉などの果肉が柔らかい品種はやはり生で食べたほうがいいでしょう。

オーブンは210度に予熱しておきます。

りんごの芯抜きがあれば便利です。この時、下まで抜かないようにするのがささやか
なコツ。

忘れておりましたが、りんごの表面に爪楊枝が竹櫛で穴をあけておきましょう。焼い ているとどうしても皮は裂けてしまいますが、爆発するのは防ぐことができます。

芯のくり抜いた部分に砂糖とバター、シナモンを詰めます。この時、丁寧にするのな らバターを常温に戻し、砂糖とともにやわらかく(ポマード状といいます)に練りま す。その後、ラップなどで芯の太さの棒状に整形して冷やし固めたものを詰めます。 しかし、どうせバターは溶けてしまいますし、あまり味に差はないので、適当で大丈 夫です。210度のオーブンで20分間、焼きます。

焼き上がり。りんごはホクホクとして香り高く、素朴な冬のデザートという印象です。これが家庭的なレシピとすれば次にご紹介するのはプロっぽいレシピか もしれません。

3時間焼いたリンゴ
りんご 1個
バター 10g
砂糖 15g~ 蜂蜜酒(mead)又は白ワイン 適量 100cc以上

リンゴを用意するところまでは同じ。違うのはオーブンの温度と加熱時間です。オー ブンはやや低温の150度に予熱しておきます。

同じようにバターと砂糖をつめます。

ここで登場するのが蜂蜜酒。甘口の白ワインでもかまいません。水分を加えてあげる ことで、砂糖の甘味がリンゴに浸透しやすくします。大さじ2ほど振りかけました。
この後、オーブンに入れて、トータルで3時間焼きます。

1時間経過した段階で砂糖を振りかけて、先程の蜂蜜酒又は 白ワインを同じようにかけます。

2時間が経過しました。底が焦げないようにまた水分(蜂蜜酒又は白ワイン)を少し 足しました。

2時間半経過。少しずつ周りがキャラメル状になってきます。このあたりから焦げやすくなってくるので注意。かといって焦げるのを恐れて水分を足してばかりいると果肉がキャラメル化しません。

三時間経ちました。もう少し水分を抜いてもいいのですが、今回はこのあたりで止め ておきましょう。ちなみにもっと面倒を見ることができるなら5時間ほど焼くとさらにコクが出ます。

アイスクリームを添えて、リンゴの風味が凝縮した熱い果肉と冷たいアイスクリームのコンビネーションを楽しみます。3時間焼くのはなかなか難しいですが、材料はほとんど同じでも加熱温度と時間が変わるだけでまったく別の味になるということがわかるか、と思います。料理の基本は素材の組み合わせ、味付け、火入れの三つ。何度も繰り返して目的の味をつくりましょう。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!