インターネットで「海外出稼ぎ」をしてみて、日本の賃金の安さを実感した
私はコロナ前(2018年頃)からインターネットでお金を稼ぐ方法を研究、実践し続け、色々な仕事を経験してきた。
英語の読み書きがある程度できるので、日本国内だけでなく、海外のサイトも活用して仕事を探すこともしてきた。
以前から海外の掲示板などを使いながら情報収集を進め、日本でもできる仕事はないかを試行錯誤し続けていた。
始めは簡単で、時間の制約も少ない仕事から始めた。
面接は不要で、テストを1回クリアすれば仕事にありつける。
場合によっては、テストすら要らない場合もある。
ただ、敷居が低いということもあり、稼げる額はそれほど多くはなかった。
稼げても月10万円程度(ひどい時は5万円もいかない)という具合で、本業にするのは難しかった。
そんな私が今年春、本格的に「海外出稼ぎ」を始めた。
バイトが終わり、1日中仕事ができる時間が手に入ったのと、就労移行に通って障害者雇用を目指すモチベーションが出なかったからである。
そしてちょうど3月頃、仕事募集の案内が届いた。
それは以前からたびたび使っていた海外のサイトからだった。
ぜひ働きたいと返信し、テストを受け、無事合格することができた。
仕事が始めると、私はがむしゃらに働いた。
コミュニケーションが苦手なASDである私だが、作業をこなすことは得意だ。
そして、コミュニケーションはテキストメッセージオンリーだから、ASDの気質も問題にならない。
朝起きてから夜寝るまで、ご飯とお風呂に入る時間以外はほぼ全て仕事に費やす、という日もあった。
おそらく、その日は1日に13~14時間くらい仕事をしていた。
そんな日々が続いて約1か月、給与明細が発行されたので確認してみると、給与の額が凄まじいことになっていた。
具体的な金額は伏せるが、サラリーマンの平均月収を上回るくらいの額だった。
いくら大卒とはいえ、ASDで何のスキルもない自分が、いきなりこんな金額を稼いだのかとその金額の重みを実感し、少し困惑することもあった。
ただ、おそらく普通の障害者雇用では(もしかしたら定年まで)稼げないであろう額を、たった1か月だけとはいえ稼げたことに、大きなやりがいを感じた。
その仕事は作業をこなした分だけ稼げる、いわゆる「歩合制」のような仕事なのだが、一部「時給制」の仕事もあった。
時給制の仕事というと、日本では時給800~1000円くらいが普通だ。
米ドルにすると、時給6ドルから8ドルという感じ。
ただ、私がやっていた「時給制」の仕事は、時給が15ドル近くもあった。
日本円にすると、時給2000円を超える。
「えっ、こんなに貰って良いの?」と正直思ったが、管理者曰く
「15ドルはバイトの給料として適切なレベル」らしい。
これを聞いて、私は日本の賃金が如何に安いかを実感した。
それと同時に、一般雇用と比べさらに給料が安い障害者雇用へのモチベーションが、さらに低下したことはいうまでもない。
ただ、今やっている仕事がいつまでもできるという保障はない。
いずれは、低賃金の障害者雇用に身を置かなければならないだろうが、正直言って憂鬱だ。