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医学生ホタテ漁体験記

タイトルに医学生って書いてるけど、私、なんちゃって医学生なので…
なかなか学年が上がらず、今年も長ーい長い夏休みがやってきた。
「医師になったらそんな長い休み絶対取れないぞ!」と大人達が脅してくるので仕方なくまた旅にでることに、、
普通に観光しても面白くないので、より深く現地の人と関われる、このサービスを利用することにした。

「ののの」では農業以外にも漁港や畜産を選べるらしく、
今回は岩手の「崎浜漁港」という場所でホタテ漁をすることになった。
バイクで札幌を出発し、徐々に南下。
なんとか無事に崎浜に到着。

岩手はリアス式海岸で半島が無数にある。
その中の1つの半島の先っちょにある小さな集落が崎浜だ。

到着して大興奮。こんな僻地、絶対観光で来ない!

二泊三日のつもりが気づいたら六日間も居た。
やったことはざっとこんな感じ

1日目 到着→大船渡ウォータースプラッシュ祭り
2日目 ホタテ漁→祭り片付け→ホタテ漁→出荷→たらじがね→飲み会
3日目 ホタテ漁→出荷
4日目 越喜来サマーフェス
5日目 祭り片付け
6日目 ホタテ養殖準備→出発

目次

①ホタテ漁ってなんなん?
②なぜ漁師が夏祭り?

①ホタテ漁ってなんなん?

岩手の三陸ではこのような形でホタテの養殖が行われている。
ホタテが紐に吊るされてて、浮玉の浮力で浮いている、という形だ。

養殖を始める時は、ホタテの赤ちゃんを購入する。
リスク分散のために、北海道、岩手など色んな所から購入する。
この時点で小さいものは商品にならない可能性が高いので、選別していく。

ホタテの赤ちゃんは1cmくらい。こいつらがプランクトンを食べて10倍に成長する。

そして赤ちゃんを数か月育てると収穫時期になる。

漁の時は朝4時起き。
この浮球と紐を引っ張り上げてホタテを回収する。
このホタテ達には海藻やら貝やら海の藻屑が付きまくっている。とてもホタテには見えない見た目をしている。(写真撮っておけばよかった)
海中で死んでしまったホタテもあるし、それらを選別しながらカゴに入れていく。
生きてホタテと死んでいるホタテは匂いで判別する。死んでいるホタテは明らかに匂いが違う。半端なく臭い。
船のガソリンの匂いや海の藻屑、ホタテが臭くて酔う。
船は揺れるし、手元の作業なのでさらに酔う。

カッター

そんなこんなでやっと陸に帰ってきて、このカッターと呼ばれる機械でホタテを荒削りする。
すると、僕らが普段見ているようなホタテの商品の見た目になる。
ここでもう1回、ホタテを嗅いで生死を確認し、サイズで選別する。
それらを発泡スチロールに氷と一緒に敷き詰めて発送する。

僕らが普段、購入してるホタテは、成長の競争(?)を勝ち抜いたtousleエリートホタテなのだ。
改めて漁師は大変な仕事だと感じた。
近年は海水温上昇でホタテのサイズが小さくなってきているらしい。
漁師は漁師だけでは食って行けず、海の観光に力を入れてきてるらしい。
例えば、今回のような漁師体験だったり、船釣り、漁港でのBBQなど…
僕は今回の体験で超絶学びになったので、色んな人にこの漁業体験はウケると思う。食べ物に感謝できるようにもなる。
この崎浜という場所とホタテ漁師さん達が「心のどこかで気に掛ける存在」になった。

漁港で焼いて食べるホタテ。味付けなしで、マジで旨かった。

②なぜ漁師が夏祭り?

漁師さんが夏休みの準備、運営、片付けで忙しそうだったので、今回は漁だけでなく夏休みの手伝いもした。

夏祭りのステージ。奥に見えるのは津波を防ぐ堤防

この夏祭りは震災、津波の後に色んな外の人、団体の助けがあって復活したもので、震災があった年から毎年続いてるらしい。
漁師さんとその同級生達は当時、上京していたが、震災をきっかけにUターンで戻ってきて、地元の為に働いているらしい。

正直、はじめは夏祭りの手伝いに乗り気ではなかったが(笑)、
このストーリーを聞いて感動。できることなら毎年手伝いに来たいと思った。

で、祭り終盤、なぜかMCを僕が務めることになった。
子供達と花火のカウントダウンをして、花火が打ちあがった。

ひゅるひゅるひゅーーーっどーーん!!
子供達が「ギャーー!」と、はしゃいでいた。

彼らは震災の後に生まれた子たちで、津波でハチャメチャになったこの街で元気に育っている。
大変なことがあっても、人は助け合って強く生きて、命が繋がれていく。
そんな美しさがこの花火にはあった。

人生で見た花火で一番綺麗だった。

おまけ

この地域には「たらじがね」という文化がある。
鬼が子供たちのところに行って「悪い子はいねえが?」と脅かして、
子供達に謙虚さを身につけさせるという風習だ。
このたらじがね文化を残していくため、温泉旅館に来た子供を襲うことになって、なぜか僕もたらじがねになった笑

漁師の活動は幅広い。
自分のため、家族のため、地域のため、海のために飛び回る漁師さんを見て、かっこいいなと思った。
そんな大人、医師に自分もなりたいと思った。

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高木翔成/2浪2留医学生
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