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夏シリーズ

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夏の詩や小説
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#詩

見つけて(八月の詩)

そぞろにぶらつく枝切れが
路傍の石ころ転がして
伸ばした小さな手を止めた
近づかないでと声がした

気のせいだ

朝食の鐘の音を残し
門をくぐってひた走る
背を向けることは初めてで
だからその日を覚えてる

それだけだ

後悔したのはそうじゃなく
ミルクだけでも飲んでれば、
だって力が入らない
苦しませたくなかったのに

君は消えた、君は消えた
傾いだ日の瞳のなか
君は消えた、君は消えた
口を開け

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