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No! I Don't Want to Join a Bookclub のレジュメ(翻訳出版企画書)を公開します

こんにちは。英日出版・実務翻訳者の村松静枝です。こちらを訪問してくださり、ありがとうございます。10年以上前に本作のレジュメを作成し、数社の出版社でご検討いただきましたが、どのジャンルに入るかわからない、Chicklitの翻訳物は難しい、といった理由で邦訳出版に至りませんでした。

本作をひとことで言うなら、”ブリジット・ジョーンズの日記 その30年後”です。大人気を博した『ブリジット・ジョーンズの日記』と同じように全編が日記形式で書かれ、60歳を迎える女性の、加齢や交友関係の不安と悩み、そして恋の悩みが、皮肉とユーモアのちりばめられた軽快な文体で綴られていて、読み手を飽きさせません。同時に、老いるということをどう受け入れていくべきかをしみじみと考えさせてくれます。

思えば10年前は、私自身がまだ高齢による健康不安に苛まれることもなく、友人と健康問題を語り合うなどほぼ皆無で、本作の主人公マリーに共感しきれませんでした。しかし60歳が近づいてきたいま、マリーの悩みが我がことのように痛切に感じられるのです。そして、自分と同じような不安を抱いている人は少なくないのではないか、そうした人たちが本作を読んだら、人生後半の日々に希望をもてるようになるのではないかと思い、ここでもう一度、この作品を紹介してみようと決意しました。

このレジュメを提案していた10年前に比べて、最近は特に海外ミステリーでシニア世代を主人公にした作品が多く出版されるようになりました。また、和書においても、川上弘美氏による『恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ』などのように、60代の女性を主人公にした作品が登場しています。ということであれば、本作にも再びチャンスがやってきたのではないかと思い、ここでレジュメを公開する決意をしました。数日前の新聞記事で、ある作家の方が、「60代や70代の楽しさを書いた小説があまりないと感じていました」と語っていらっしゃったことも背中を押してくれました。

作品情報を以下に簡単に掲載しました。レジュメと試訳は添付ファイルをご覧ください。

ご興味をお持ちの方がいらっしゃれば、どうぞご遠慮なくご連絡いただけますようお願いいたします。原書が必要であればお送りすることも可能です。このページ最下部の「クリエイターへのお問い合わせ」または、X(旧ツイッター)のリプライやDMをお使いいただければと存じます。

どうぞよろしくお願いいたします。

『No! I Don't Want to Join a Bookclub』 作品概要 作成:村松静枝
■表題:No! I Don't Want to Join a Bookclub
■仮邦題:おひとりさまマリーの日々 (直訳は「読書会なんて絶対いや!」)
■出版社:Fig Tree: Penguin Group (ベンギングループ)
ハードカバー247頁、2006年刊。ペーパーバックあり 邦訳なし。
*本作の続編あり
No! I Don't Need Reading Glasses: Marie Sharp 2 2013年
Yes! I Can Manage, Thank You!: Marie Sharp 3 2015年
No, Thanks! I'm Quite Happy Standing!: Marie Sharp 4 2016年
■著者:Virginia Ironside (ヴァージニア・アイアンサイド)
■著者の邦訳書:『でっかいでっかいモヤモヤ袋』 2005年刊 (児童書)
■ カテゴリー:文学・評論>文芸作品
著者ヴァージニア・アイアンサイドはイギリスのジャーナリスト。小説のほかに、ライフスタイルに関する実用書や児童書も多数手がける。本作は児童書やノンフィクションを含まない彼女の7作目の小説となる。
著者HP: http://www.virginiaironside.org/

■ 読みどころ
「60歳になるのは、古くてボロボロになった皮を脱ぎ捨てて、ピカピカになったヘビのように新鮮な気分」
「脳を刺激して若さを保つために読書会に参加するなんて絶対にいや! これまで散々刺激を受けてきたんだもの。もう若くなんてなりたくもない」
60歳の誕生日を3ヵ月後にひかえ、一念発起して日記を書き始めたバツイチの元美術教師マリー・シャープの日記にはこんな言葉が並ぶ。彼女は60歳になる日を楽しみに待ちわびている。医者には老化を指摘され、友人との話題は病気の話ばかり。老いを認めるのは少しつらいが、マリーにとって60 歳になるのは、義務や心配ごとから解放されて、悠然と自由に生きていく時間を手に入れるということである。
ところが周囲からは、若さを保つために語学を習うとか読書会に参加するなどいろんなことに挑戦すべきだと勧められ、彼女は激しく反発する。さらに、「恋愛ごとはわずらわしいから、もう恋もセックスもしない」という偏屈な禁欲主義を宣言する。しかし若い男に夢中になっている女友達を内心うらやんだり、最近妻に先立たれた初恋の相手のことが気になったりもしている。
やがてかわいい孫が生まれ、マリーは夢中で世話をするが、そのいっぽうで、長年の男友達が癌に侵され、余命わずかだとわかり、彼女の気持ちと生活には様々な波風が立っていく。
本作は日記形式で語られ、本国イギリスでは 2008年時点で約9万部の売上げを達成した。ロンドンを舞台に、第二の人生を始めようとしている、「ちょっとひねくれて意地っ張りな」女性マリーの心の動きと周囲の人間模様が、テンポのよい筆致でユーモアを交えて描かれている。

■レビュー
”ユーモラスで、かつ読み手の心に痛切にしみいる魅力に満ちたこの作品は、対象読者層としているベビーブーマー世代はもちろん、若い読者をもおおいに魅了するだろう――パブリッシャーズ・ウィークリー(一部抜粋)

”辛らつだけれど、どうしても憎めない”――英ザ・タイムズ紙

”知恵とユーモアにあふれ、心温まるストーリー”―― 英デイリーメイル紙

”マリー・シャープはユーモア小説屈指の名キャラクター。これほど個性的で面白くて、しかもいろいろと考えさせてくれる本はめったにない”――英デイリー・エクスプレス紙

■シノプシスはこちらです:

■試訳はこちらです:

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