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こういう人、本当にいるんだ…【圧倒的、驚・愕】

 こんにちは、内職歴30年以上の文字起こシスト、須恵村すえむらです。

 文字起こしの仕事は、「秘密厳守」の前提で請け負っていますので、ダレソレからこういう仕事を頼まれたと第三者には(家族であっても)伏せていますし、音源や原稿データも作業後には削除します。
 今回のケースは、「具体的に個人や内容を特定できることは書かない」かつ「そもそも契約に至っていない」の2点により、書いてもいいかなと思ってお話しする所存です。ご了承ください。


 一つ40円のお菓子が三つで100円、なんてことがあります。
 いわゆるボリュームディスカウントですね。

 以前、Webライターの人から「『定期的に(あるいはたくさん)仕事あげるから、ちょっと原稿料まけて』と悪びれずに言ってくるクライアントがいる」という話を聞いて、「いやいや、おかしいおかしい!」と突っ込んでしまったのですが、ネタだと思っていたら、本当にいるんですね、そういう方。

 報酬の見積もりをしてほしいということなので、「1分●●円でお受けします」と言ったところ、「少し高いけど、初回だからサービスで(?)高く払ってあげる。まずお試しでやってもらって、あなたのクオリティーが高かったら、そのままの額でいいよ」 との返答でした。
 いや、ここまで失礼だったわけではありませんが、ニュアンスはほぼこんなです。

 こういう人は押しなべて、「どうせ文字起こしなんてカンタン内職でしょ?」と思っているから出し渋っているくせに、「プロフェッショナルのクオリティー」を求めてきます。
 こういう人に「プロの仕上げが欲しいなら、プロの報酬をください」と言うのって、果たして傲慢なのでしょうか。

 この人などは、「こっちが満足したら高いままでいいよ」と言っているので、一見するとまあまあ考えてはくださっているように思えますが、そもそも私が提示した額も別に高くはないのです。具体的に言えば、その方の想定よりも20円高かっただけでした。

 いつも同じような姿勢で仕事をしているにもかかわらず、本当にごく稀に、後からあり得ないほどのダメ出しをする方がいます。

 えてしてそういう人に限って、指示出しは曖昧で連絡も適当。最後の検収のときだけ異常に張り切るという困ったタイプなので、「あなたのクオリティーが高ければ据え置き」なんてことは実はあり得ず、下手するとゴリゴリに減額してこき使われ続ける――という未来予想が簡単に立ちます。

 私は幸いなことに、一応仕事が選べる程度にはお声がけいただいているので、こういう方に振り回されるのは、他の仕事へも悪影響が行くので避けたいところ。
 精々せいぜい上品に低姿勢で「…この話はなかったことに…」で最終的にお断りしたら、一言「OKで~す」とだけ返信が来ました。

 ある意味すげえな、この人。

 一応「物の仕入れじゃあるまいし、こういうときにボリュームディスカウントって表現はどうなのよ」という苦言は書いておきました。
 文字起こしは長くなればなるほど負担が大きくなるだけです。「いっぱい買ったげるから安くしてよ」じゃねーよ!です。
 こればかりは、仕事くれてやってる根性でいる限り、そして超絶滑舌悪い早口のおっさんが長時間しゃべりまくる音源を起こした経験がない限り、絶対改まらない認識でしょう。

 誤解のないように付け加えますが、大抵のクライアントは、自分でやるのがどれだけ面倒でしんどいかをご存じなので、それなりにお気遣いくださいます。

 結局、発注する方もプロ(またはプロの考え方ができる)ということが肝要ってことですね。

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