【英語】自動詞と他動詞
目的語をとらない動詞を自動詞、目的語をとる動詞を他動詞といいます。今回の記事では、自動詞と他動詞に関する話をまとめています。
たいていの場合自動詞にも他動詞にもなる
まず、現実的問題として、「これは自動詞なのか、それとも他動詞なのか」と都度頭を悩ませる必要性はあまりありません。というのも、たいてい場合で自動詞にも他動詞にも利用可能で、自動詞としてしか使えない、あるいは、他動詞としてしか使えない動詞の方が少数派であるからです。
そして、そのようになっているのにはちゃんと理由があり、それは、長い歴史的経緯の中で片方からもう片方に転用されるようになったから、という事情です。
自動詞から他動詞への転換
たとえば、walk, run, skip など、一見自動詞としてか使えなさそうな動詞でも、現代英語では他動詞に転換されます。
I walk a dog.
I run a machine.
I skip this chapter.
このなかの run という動詞をピックアップしてみましょう。OED を見てみると、run という単語は Old English(古英語)の時代から現代まで現役で使用されていることがわかります。そして、run が他動詞として使われ始めたのは比較的最近のことで、具体的には 13 世紀からになります。このことから、もともとは様子や状態を表現する自動詞であった run は、歴史のなかで他動詞に転換されるようになった、と推察できます。
他動詞から自動詞への転換
逆に、もともと他動詞だったものが自動詞に転換される例もあります。たとえば drive は、もともとなにかを外力で動かすという意味でしたが、時代を経るに従い、動かされる対象そのものの動作状態を記述するために使用されるようになりました。これは、run の例とは逆で、もともと他動詞だった動詞が歴史的経緯のなかで自動詞に転用されるようになった、と推察できます。
対象ありきの場合に転換は起こらない
たとえば、have, love, hear, see, visit などはいずれも、対象ありきの動詞です。何も無い状態で、spinしろ、jumpしろ、という命令は成り立ちますが、visitしろ、haveしろという命令は対象がなければ意味不明な命令です。
前述のように、自動詞が他動詞に、他動詞が自動詞に自然に転換される例はたくさんありますが、対象ありきの他動詞は転換されない、されにくいという傾向があります。