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語学学習と安全圏

ストレスや不安が少ない、落ち着いて過ごせる範囲のことをコンフォートゾーンといいます。コンフォートゾーンにはプラスの面ももちろんあるのですが、成長の機会が少ない、あるいはないというデメリットもあります。

そして、安全圏でリスクなく英語学習を進めている、あるいは、英語技能の習得というビッグなビジョンがあるものの、コンフォートゾーンに着手した状態で永遠にその場所から抜け出そうとしない人が多いと感じます。今回はこのあたりの話をします。

英語学習で「いきなり実践」は理にかなっている

突然ですが、以下の 2 パターンのどちらが、全体としての学習効率が高いと思いますか:

パターン 1
まず英検やTOEICの対策本を買う、隙間時間に読み進めて、次回のTOEICを受験する。スコアを見て、点数の底上げを頑張る。900 点台に到達してある程度の自信がつくが、何も実践できていないことにここで気づく。実践するにも、きれいに整った環境でこれまで学習してきたため、実践のための手段として思いつく場所がオンライン英会話くらいしかない。

パターン 2
とりあえず、Reddit に書き込んだり、ハロートークでどっかの国の人と会話したり、面白そうな投稿にコメントしてみる。もちろん、話がこじれたりわけがわからなくなることもあるが、適宜 Google 翻訳や weblio を駆使してやってみる。だんだんと学んでいる言語の共通項が見えてきたので、適宜辞書や信頼できるリソースにあたり、答え合わせ的に調べる。

おそらくほとんどの人に、パターン 2 のほうが全体として効率的であると、納得していただけると思います。そして同時に、パターン 2 のほうが勇気がいるというか、怖い、という印象もあると思います。

粗雑な英語学習も楽しい

パターン 2 で示したような、いきなり英語を使う環境に飛び込むというやや乱雑な手法は、合理的です。もちろん、ある程度のリスク管理をする必要はありますが、リスク管理さえすれば何も怖いことはありません。

上記で例示した Reddit、ハロートークはどちらも、無料で利用できるサービスです。そして、その中で英語のやり取りをしている人たちは、話し相手にそこまで期待していません

この、あまり期待されていない、という点がグッドポイントで、というのも、これが学習者にとっての安心材料になるからです。期待されていないのなら、最初はテキトーでもいいよね、という心理になれます。

さいごに

整った教材から教養チックに始める方法と、いきなり英語の運用現場に飛び込んで帰納的に学ぶ方法の 2 つがあります。どちらが正しい、どちらが間違っているという話ではもちろんありませんが、僕は、いきなり実践というやり方がよいのではないかと考えます。

整っていない環境で帰納的に何か知見を得るやり方は野外科学に似た手法であり、ありのままのすがたから一般的傾向を見出す手法です。個人的には、英語学習を現場での観察で行うというやり方のほうが、教材での学習よりも楽しいと感じます。

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