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読書のくせ
本を読むとき、文庫本でも単行本でも私は帯とカバーをとってしまいます。
寝っころがって行儀悪く読むのでカバーがすぐにずれてしまうのが嫌なのと、電車に乗っているときに読む際、何の本を読んでいるのかわからないようにしたいというのが理由です(美しい布製のカバーをいくつも持っているのですが、面倒でほとんど使用していません)。
私が女子高生の頃、通学電車でいつも同じ場所のドアの入り口に立って文庫本を読んでいる男子高生をよく見かけました。彼はどんなに電車が空いていても座ろうとせずに(始発駅から乗車)、立って本を読んでいるのです。昔はそういう男の子がいました。彼が読んでいる文庫本は厚みがあるものが多く、カバーをとってしまっていて無造作にズボンの後ろのポケットに押し込んでいました。「かっこつけちゃって」と思ったのですが、たしかにむきだしの文庫本はかっこいいなとも思いました。もしかしたら彼の影響もあるのかもしれません。
ときどき勉強せねばと思い立ち、教科書のような本を買い込みます。これらは外では読みませんが、どういう本かを家族に知られたくないのでカバーを裏返して真っ白な本にします。こういう類の本を最後まで読み終えるガッツは私にはありません。ですから何冊もかさ張る真っ白な本が積み上げられています。自分でも何の本かわからなくなっている状態で、ほこりもうっすら積もっていてお手上げです。
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私はつねに本を何冊も同時に読むので、カバーのない本があちこちに散らばっています。おもしろい本は読み終えるまですべてを放り出して読み続けたりするので、なかなか読み進められない本はいつまでもカバーなしで放置されています。とられたカバーはゆくえ知れずになります。でもなぜか、読み終えるとカバーはちゃんと見つかって、きちんと帯もつけて元通りになります(でも整理され収納されるわけではない)。
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「だらしない」わけですが、自分では本を大事にしていると思っているし、読書に関してはストレスなく過ごせています。
結城美穂子