コンテンツ月記(令和二年、神無月後半)
読んだもの、観たものを、書きなぐりのメモで記録します(完読できてないものも、書きたいことがあったらメモします。すでに長めのレビューを書いてるやつは、基本的に除いてます)。
書ききれてないやつは来月に回すぜ…!
==評価基準(特に記載したいときだけ)==
\(^o^)/ 乾杯。愛。最高の毒なり薬。
φ(..) 特別賞(今後思い出すだろうシーン有等)
==ココカラ==
■映画
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TENET
久しぶりに観終わって「???」になってしまった映画だったけど、町山さんの解説を聴いてようやく「観てよかったのかもしれない…(自分の創作のために)」と思った。なんかもうちょっとシンプルな時間旅行モノから観たほうがいいのかもな…。SF小説もっと読みたい。
恋人は絶賛してたので、入り組んだ物語を解釈するのが好きな人にはおすすめの映画なのかも。以下は、町山さんの解説(↓)を聴いて面白いな、なるほどなと思ったところ。
・物理学と神の存在について考えることは、実はつながってる。(ここ、へえボタン押しまくった←たとえが古いよ)
・運命は神が決めているとしたら、自分が「選択する」ことの意味とは?(「神が決めてる」ってイスラム教の考え方だと思ってたけど、キリスト教でもあるのね)
・意味わかんない人だと思ってたけど…実は悪役のセイター、結構私と価値観近いかもしれんな…。
・ジャンボジェットは、破壊シーン撮影のために実際に購入した(すごい!)。
・「俺が主役だ」の台詞、オリジナル(英語)では実は変わった言葉選びをしてる
あ、あとは宇多丸さんの解説(↓)で、今までよくわかんないな~と思ってた「サイコパスっぽい、人となりが空っぽに思われる主人公(全般)」の、物語における役割についても知ることができてよかった。
しかしだね(映画感想にいきなり戻る)、こういう複雑な物語で矛盾がある脚本になってるとほんとにわけわかんなくなっちゃうので、そこはしっかり詰めていただきたい!まじで!
実はファッションも素敵な映画だった。スーツの着こなしとか素敵なんだよなー。キャットのお召し物もいっつも素敵~(キャットは背が高いのもいい)。あと、インドのあの女性(名前忘れちゃった…)も!あと、エストニア行きたさがますます高まった!!!あとね、(前も書いた気がするけど)ニールの顔がひたすら好き。ストーリーについていけなくなってから、ニールにときめくだけを楽しみに観た。
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まぼろしの市街戦
目黒シネマのTwitterの紹介文を読んで、面白そうだったから観に行った。
あとで、映画評論家の町山さんが生涯ベスト10本のうちの1本に入れていることを知る。
手放しにおっもしれ~!という感じではなく、味をかみしめる系の作品だった(古い作品は、自分の創るものに取り入れたい要素を知る上では面白いんだけど、脊髄で面白い!ってなることは私は少ないのよね)。
兵士たちには色がなく、精神病棟を抜け出した人たちはカラフル。
戦争は個人個人の顔を奪ってしまうことを、スマートに描いている。
兵士たちがあっけなく倒れていってしまうところも皮肉だった…。
この映画の主人公みたいに、戦争から逃げてしまいたかった人はきっとたくさんいただろうなと思うと、つらい…。
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わたしは金正男を殺してない
北朝鮮の金正男殺害事件の容疑者とされた女性ふたりは、実はまったくの無罪だったのではないか?という内容を追うドキュメンタリー。
恋人と観たのだけど、恋人は「もう人を信じないようにします、と容疑者の女性が釈放されたあと発言していたのがつらかった」と言っていた。人を疑いすぎるとそれも生きづらいよね…。
殺害に使われた毒物、「2つの成分を合わせることで猛毒になるが、2つを別々に運搬すれば検問等にも引っかかりにくい」、というものだそう。人類は恐ろしいことを考えるな…。
一人の命の重さは、外交の都合でどうにでもなるのだ、ということがひたすら恐ろしかった。
北朝鮮、とっても気になる、行ってみたいけれど、行ったらこういう国にお金を出すことになるんだ…、そして国交に何かあったらきっと捕虜になるんだ…と思わされた。
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はりぼて
何点かポイントごとに。
■「ちゃんと権力に質問してくれる」マスコミは必要だ
友達と話したり、Twitterを読んだりしてると(…って、拾えてる声が偏ってしまってるのだけど)、「マスコミ」という言葉にいいイメージを持っている人は少ないと感じる。
「事件があった際、無理やり被害者を取材して困らせる」
「国政でおかしなことがあっても、全然踏み込んで取材してくれない」
「そもそも記者はエリート男性ばっかりで、考え方が保守的な人が多い。視野が狭い」
etc...
私も、ここ数年、特に大手メディアに失望することが多くて(主に与党のおかしな動きを全く監視できなくなってるという点)、「なんであの人たち、機能を果たしてないのにあんなに高給取りなんだろう?」と怒りを感じることばっかりなんだけど、やっぱりマスコミってないとやばいんだな、と実感した。
■国政レベルではなんでこれができないんだろう?
この映画では、マスコミに「どうなんですか?」と詰められて、弁解できなくなった政治家が次々裁判にかかったりしていく。
同じような、怪しい疑惑が国政レベルで溢れているけど、最近はどうも「説明しないってごり押しすれば、なかったことにできる」って雰囲気になっちゃってる気がするよ。そもそもほとんどのマスコミが、ぜんぜん突っ込んでくれない。悔しいし、辛い。
■でもやっぱりマスコミって、「内輪」ワールドだよな…
この映画では、マスコミ業界的に見せられる「ギリギリ」を攻めた、というようなことを、監督の五百旗頭さんはトークショーで言ってた。これにはちょっと興ざめした。
友人知人の新聞社勤務の人と話してても思うんだけどさ、新聞業界(?)って、なんかすごい同業者の目を気にしてるんだよな…。どの会社がこのニュースを1番に報道できたとかさ。ニュースの受け取り手にとって、それは1番大切なことじゃないのに。だから新聞は斜陽産業になっていっちゃったんじゃないかな。
こういう、「その業界のスタンダードに照らして考えちゃって、外部から見てどうか?って視点が失われる」ってどの業界でも言えることだと思うんだけど、マスコミがこうなっちゃうのって絶望的だよね…。
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監視資本主義: デジタル社会がもたらす光と影
Netflixで観る。
SNSが発達した社会の、闇に焦点を当てた作品。
いいところもいっぱいあると思うんだけど、よくないところはどうやったら止められるんだろうね…。フェイクニュースが選挙の結果を変えちゃう話とか(今回のアメリカ大統領選対策でTwitterは安易なリツイートができなくなりましたな)、SNSの広告を通して「人間(というか自分)」が油田としてお金を引き出すのに使われてるっていうのを読んで、怖くなったよ。
これを観てから、SNSで通知が来てもすぐに反応しすぎないように、前よりも気をつけるようになった。
SNSが発達してから(たしかアメリカで)10代の女の子の自殺率がとても上がっている、ということも語られていたんだけど…今の若者でスマホ使わないで暮らすって相当難しいと思うんだよね…
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HiGH&LOW THE WORST
物語LOVEな私だから、たぶん合わない気がする…(ストーリーはあるようなないようなという噂だから)…でも1回は観ておきたい…名台詞でハイローごっこしたいし…と思ってたところ、Netflixに来たので、喜び勇んで鑑賞。
宇多丸さんの映画評で結構期待して観たんだけど、やっぱりストーリーがあるようなないような…っていうところで、かなりハードルが高かった…!
あと…志尊淳氏よ…「この人は…この高校ではやっていけない気がする…」感が出すぎなんじゃないか…!
ただ、巷の評判通り(?)アクションはとっても面白い。身体能力高い人があんなに大人数で、カメラもダイナミックに動かして立ち回るのは、かなり見応えあったっす。
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■マンガ
A子さんの恋人(7)
どんどんA子さんの物語からA太郎の物語になっていったなと思ったけれど…とってもいい最終巻だった。この巻はA太郎ファンは必読だと思う。初めてA太郎が仮面を脱いでくれたなって気がした。A太郎のことを思って胸が苦しくなってしまったよ…。
創作する人たちへのメッセージもいっぱい込められた巻だった。創ることばっかり考えていると見えなくなってしまう景色のことを思い出させてくれた。(U子ちゃん、最初は感情が読めない人だと思っていたけれど、実はとても優しい人だよな…A太郎とU子ちゃんのからみも好きだ私ゃ…)
あとあと!改めて、表意文字である漢字の力を感じたのも、言語バカとしてはわくわくした。
そして、最終巻は特に近藤さんの画力がものを言ってたな…この絵じゃないと、この読後感には絶対ならない。
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健康で文化的な最低限度の生活(1~2)
ベーシックインカムについて書いたこちらの記事でも、このマンガにちょっと触れてますので、よかったら読んでみてください。
「生活保護」を担当することになった新米公務員の物語。
生活保護の実態についての描写がとっても丁寧で、ほんとにいろんな人に読んでほしいマンガ…。
作者の柏木さん、人間の描き方に力があるからこそ説得力のある内容になっていると思う。
主人公が人の顔色が読めなくてコミュニケーションに苦手意識を持っていたり、同僚がシングルマザーに育てられたから「がんばってない母親は許せない!」って思ってたり。「そうだよな…お役所の仕事だって結局人と人なんだもん…それぞれの人生の背景とか信条が、利用者とのやり取りにも影響してくるよな…」と思わされる(ちょっと自分の前職にも通じるところがあっていろいろ考えちゃう)。お仕事マンガとしてもおすすめ。
たしか7,8巻は子供の貧困がテーマだったはずなので、間を飛ばしてそちらを読もうか悩み中…。
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ハイパーミディ 中島ハルコ(1)
賛否両論分かれそうなマンガだなーと思った(そこがいかにも東村さんのマンガだ)。
バリバリ働いて自立して、歯に衣着せぬ物言いのハルコさんが、不倫している女性や愛人をパーティに連れてくる男性、老舗菓子屋の社長なんかを、ばっさばっさと切っていくマンガ。
いろんな年代の女性がマンガで描かれることはいいと思うのだけど、私はこういうタイプの人は苦手なので読んでいてちょっと疲れた(人によっては「スカッとする」と感じるんじゃないかな)。
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■ドラマ
ラチェッド
たしか前回?も触れたんだけど、最後まで観たので改めて。
最終回とその1つ前は展開がいまいちだったけど、そこまではとってもいいドラマだった!
激アツポイント
その①大人の女性物語として激アツ
40代・50代くらいの女性が、自分の体型とか顔を活かしたおしゃれをばちばちにして、恋もして…っていうドラマがまだ世の中には少なすぎる。このドラマでは、素敵な大人の女性がいっぱい出てきて嬉しかった。
その②皮肉が効いてて激アツ
「記号」みたいに出てきた女の子の、実は肝座ってるところ・「大量殺人鬼」よりよっぽど破壊願望強いところを描いたり、嫌~な感じの年配女性として出てきた人が、友人の前で見せるかわいらしいところ描いたり、恋愛関係ではないけど信頼関係で結ばれてる仮面夫婦を描いたり…ステレオタイプ的なものに唾吐いて突っ走ってくところがよかったな~。
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■舞台(朗読)
ハロルドとモード
もとの(?)映画が好きなので観に行った。
お金持ちの息子だけど、お母さんがまったく自分を見てくれないので、日々自殺未遂を繰り返している少年・ハロルドと、毎日新しいことに挑戦することをモットーとしている破天荒おばあちゃん・モードの恋の物語。
モードは、「そこの街路樹、排気ガスにまみれてかわいそう…」とか言って引っこ抜いて、盗んだ車で森に返したりしちゃう、かなりパンクなおばあちゃん。ふたりの共通の趣味は「知らない人の葬儀に参加すること」で、ふたりの出会いも葬儀場。昔の作品だけど、ユーモアのセンスで好きなところが多い作品である。
ハロルドは生田斗真さん、モードは黒柳徹子さん。ふたりが恋人役ってだけでかなり面白い座組。特に黒柳さんのモードはよかった。黒柳さんご自身の茶目っ気たっぷりな感じにぴったりで。
演技はちょっと過剰な感じで好みではなかった(特にハロルドのお見合い相手役の趣里さん)けど、見せ方で面白いところは結構あったかな(朗読劇ならではの一人数役が観られたり、ピアノ1台でBGMを奏でていたり)。
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