ウィークエンドけそ(第38回/2021.5.9号)
くずざんぽー、けそです!
今週も、勝手にやってるテキストラジオ、『ウィークエンドけそ』のお時間がやってまいりました。
皆さんは、どちらで、いかがお過ごしでしょうか?
自営業で目標金額を稼げるようになったら、1回は海外に長期で住んでみたいなーと思っている私(日本を変えるための署名等には参加し続ける予定ですが、政治だったり自己責任論とか家父長制が幅をきかせる社会だったりにだいぶ疲れてしまいました…)。
今日たまたま『嫌なこと全部やめたらすごかった』の著者・小田桐あさぎさんのドバイ移住の記事を読んで、また夢が膨らみました。
海外移住するためには、現地で仕事を持ったりしていないといけないイメージが強かったけど、ドバイはそうじゃないんだなあ。
ルイス前田さんも海外移住のための制度をまとめてくださっていますので、こちらもご興味ある方向けに貼っておきます!↓
何はともあれ、まずはどこでも収入が得られる環境づくりをコツコツがんばるぞ…!
さて、この番組では、今週けそがビビビと来た、SNSの話題・ラジオで聴いたもの・YouTubeで観たもの等の中から、特に皆さんにお伝えしたいものを紹介していきます。(前の週に字数が多くなりすぎちゃって載せきれなかったものを載せたりもしてます…)
それでは、今週の最初の部門!
(私の生の怒り丸出しのドロドロした内容ですが、書きたかったことなのですみません!!)
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機能不全家族で育った子供の、親と「かかわらない」権利を奪わないでほしい、という話。
先週の「ウィークエンドけそ」でおすすめした群像劇ドラマ『コントが始まる』の最新・第4話が、機能不全家族で育った私としてはきつかったからその内容について話すね!特集でございます。
『コントが始まる』の第4話は、元プロゲーマーで現お笑い芸人の青年・瞬太を中心とした話でした。
(演じてるのは神木くん)
10代の時に父親を亡くし、母親と二人きりになった瞬太。しかし瞬太は、やることなすこと否定してくる母に辟易していました。高校生のときにぷよぷよ日本一になりプロゲーマーになることを決める瞬太ですが、高校の三者面談でも母は彼の選択を全否定、話を聞こうともしません。瞬太は母親と縁を切ることを決めプロゲーマーの道を選びますが、数年後に限界を感じて引退、高校の同級生二人が組んでいたお笑いコンビ「マクベス」に入れてもらうことになります。3人で共同生活をしていた「マクベス」のもとに、数年間瞬太が連絡を取っていなかった母親が訪ねてきて—。
というのが、あらすじなんですが。
そのあとの展開がとってもきつかったです。
ツイッターで、まさにそれそれ!!そこが嫌だったのよ!というのを書いてくださってる方がいました。
そこです…。
「瞬太が最終的に母親を『許す』ことが、疑いなく前提にされてる」のが
まーーーーじでつらかったです!!!
機能不全家族にもいろんな形があると思うんですが、「対等な会話をする権利が、一部の家族に与えられていない」ということは共通事項として言えるんじゃないかなと思います。少なくともうちはそうでしたし、ドラマの瞬太の家もそう見えました。周りからは見えない場所で、絶対王政が敷かれてる状態を想像してもらえるといいかと思います。
父による絶対王政が敷かれていた、私の実家の場合を例にあげると。
・外で働くかどうか、働くとしたらどれくらい働くのかを母は選ぶことができない。父の許可制。
(共働きだったときにもほとんど家事は母が行っていたが、母がその生活に限界を迎えたとき、父が家事分担を増やすのではなく母が仕事を辞め専業主婦になるよう強制された)
・母が実家で実の親の介護をしようとすると、「結婚したのに実家のことばかり考えている」と怒られ、許可されない。(婚家での家事をこなしていたとしても関係なく)
・他の家族が行きたくなかろうが他の予定があろうが関係なく、父の一存で旅行(等のイベント)に参加させられる。
・家族のメンバーの持ち物がある場所を、父が勝手にさわる。
一つ一つは些細なことのように見えるかもしれません。「そんなこと、話し合えばいいじゃないか」と思うかもしれないですが、父は自分の期待する結論が出るまではずっと怒鳴り続けるので、もう話し合おうという気持ちもなくなっちゃうんですよ…。彼と話すってことは、ただ「彼の言うことに従うこと」。従ってもらえる方は気持ちいいかもしれないけど、従う方にとっては自分の意志を無視され続けることと同義なんですよ。人間は足を濡らし続けると死ぬらしいんですが、それに似ています。毎日少しずつ心が殺されていく感じ。母が一番の被害者だったと思うのですが、それを毎日見ないといけないのも地獄でした。「母は努力家だし優しい人だけど、そういう人が最後にたどり着く場所がここなんだ」と思って、絶望しかなくて。
ドラマの話に戻りますと、瞬太も、お母さんに対話を拒否され続けているように見えました。自分の選択を否定され続けるって、会社だったらモラハラだと思うんです。身を守るためにそこから離れることを選ぶのは、会社だったら「当たり前」のはずなんです。でも、会社と家族って違っていて。
第一の違いとして、自分でお金が稼げない(そして何かと保証人が必要になる)子供の場合、そこから逃げることができません。そこに居続けるしかありません。
私は、父と交渉しようとする際に、「誰の金で食ってるんだ」と口を塞がれることがたびたびありました。自分で稼げるようになって実家を出ることができても、親であれば子供の住所を役所で調べることができます。
※虐待されていたと申告することで住所の閲覧制限をかけられる自治体もありますが、肉体的な暴力以外を虐待と認めてくれるかって自治体次第なんですよね…。
そして第二の違いとして、「どんな相手でも、それが親であれば感謝しないといけない」という世間の強い圧力があります。
「モラハラ上司から逃げるな。向こうにも事情があるんだから、許せ」と言われることは多くはないと思いますが、相手が親だと、一見甘く優しく響く言葉(「育ててもらったんだから」「不器用かもしれないけど、それが愛情なんだから」「きっと話せばわかるから」というような)が、正義の顔をして、必死に逃げた子供を追い詰めてきます。「足濡れたくらいでしょ?死なない死なない!濡らした側も仕方なかったんだから!」って笑って言われてるようなもんだけど、死ぬからね。私は今でも父親に怒鳴られる夢を見る。
ドラマでは、瞬太も第三者に圧力かけられてました。お母さんが危篤になって病院から電話がかかってきたとき、「行かない」と言う瞬太に「マクベス」の二人が「意地を張らないで!」って説得するのを観て、吐きそうになりました。
「わがまま」とか「意地」って言葉で、自分の意志が透明にされる地獄から一生懸命逃げたことが悪事みたいに扱われてしまうこと、私自身もこれまで数えきれないほど経験してきたので。「話せばわかる」じゃなかったから逃げてきたっていうことが伝わらない人ばっかりだった。
私は、今の恋人には「父と距離を取りたい」という気持ちを尊重してもらえるのでほっとしていますが、瞬太は「ここなら安心して過ごせる」って思ってた場所でも、逃げてきた場所に戻れって言われちゃってる。きつすぎる。
(ドラマはそのあとさらにつらくて、マクベスの二人にはわかってもらえないと悟った瞬太が他の友達に事情を話しても、「でも、文句を言える最後の機会じゃない?」って、結局会いに行く方に誘導されちゃうんです。しかもそれで親と謝り合って、「意地張らなくてよかったね」風にまとめられちゃってるんです…ぐえーーー)
私はNHKを契約していないので観ることができなかったんですが、ちょうど最近NHKでも「親を捨ててもいいですか?」という特集が放送されていたらしく、番組内容のまとめも読むだけで「世間の、モラハラ親であっても親なんだから許せという圧力!!!!!ぐえーーー」という気持ちに十分なりました(自らミンチになりにいく私)。
「親を捨てたい」。誰しも少なからず親子関係に悩んだことがあると思いますが、この言葉、さすがにショッキングでした。ただ、実はいま、こうした考え方をする人は少なくないというのです。
(「NHK クローズアップ現代+ 親を捨ててもいいですか?虐待・束縛をこえて」のページより引用)
「誰しも」でまとめないでくれーーー!!!!
みんな、言うこときかないからって、親に保険証をとられそうになったことあるのか!?!?(うちの父親は、自分に反発するからって、まだ学生の私のきょうだいの保険証を使えなくしようとしてた)
ていうか、親と仲良くしたいと思ってる人、優しくしたいと思ってる人はそうして!!!そうしたくない人に口出ししないでーーーー
保里:簡単に理解できるとは決して言えないぐらい、本当に複雑な親子関係における感情と向き合って苦しんでいる方がたくさんいる。その一端が、かいま見えてきた気がするのですが、ただ一方で、どんな親だとしても、例えば親が亡くなる時、葬儀の場などに立ち会うことによって、これまでの経験を整理できたりとか、何か次への一歩を踏み出すきっかけになりえないのか。そんなことも思ってしまうのですが。
信田さん:なってほしいですよね、ドラマみたいに。でも現実はそんなふうにいかないんです、なかなか。葬儀に出て、親のひつぎの顔を見ればいいというものでもなくて、むしろ親を大切にすべきとか、葬儀に出たらこれで仲よくなれるでしょ、許せるでしょ、という常識がとてもその人を苦しめる。だから出ないという人が多いです。
(「NHK クローズアップ現代+ 親を捨ててもいいですか?虐待・束縛をこえて」のページより引用。保里さんは、NHKの保里小百合アナウンサー。信田さんは、先週の記事で紹介した幡野さん・大熊さんとの対談にも出てらした臨床心理士の信田さよ子さん)
「どんな親だとしても」って、まとめようとしないでくれーーーーぐえーーー。自分がモヤモヤしたくないからって、人の怒りを勝手におさめようとしないでくれーーー。
そして信田さんーーーー、寄り添ってくれてまじでありがとうーーー!
(いずれも、↓こちらのページから引用してます)
冒頭でも書いた通り、私はいずれ日本を出なくちゃいけないかもなって思ってます。
その原因の一つに、自民党が進めようとしている改憲の家族に関する記述で、「え…」って思うところがある、というのもありまして。
(「家族の絆が薄くなってきている」ことを踏まえて、憲法に加筆しなきゃいけない…っていうのは、納得できない)
(ちょっと脱線しますが、自民党が提案している改憲の内容は本当にひどい(法治国家から遠ざかる内容!)ので、まとめてくださっている画像をぜひご覧ください…。↓)
まとめをつくってくださった方は、さらに細かく各条の改憲案の問題点について書いてくださっています。元のツイートに飛んでいただくと、各条の内容が読めます↓
私は、血のつながりの有無とは関係なく「この人といると安心できる」と思える人と生きていける場所・私の意志を大事にしてくれる人に自分のエネルギーを注げる場所に身を置きたいのですが、日本はそこから逆行している気がするんですよね…。
…書いててきつい特集で熱くなっちゃったけど、とりあえず、バーフバリの最高な二人を観て落ち着こう…ふぅふぅ…。
機能不全家族で育った人には本当に本当にドラマ『カルテット』がおすすめです。濡らされた足をそっと乾かしてくれる癒しのドラマです。
血がつながってなくても味方になってくれる人はいるんだ…。一緒に生きていく人は、選ぶことができるんだよ…。
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続いては
ウィークエンドミュージック
のコーナー。
心を鎮めたいときに聴きたい歌…。
キリンジで『雨は毛布のように』
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最後の部門!
鮎の顔!
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今週の『ウィークエンドけそ』、いかがでしたでしょうか?
この番組では、皆様からけそへの、褒め言葉・人生相談・質問をお受けしております。
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ツイッターで今まさにフォロワーの方が一人減る瞬間を見てちょっと落ち込んでいる私ですが…大事なのは読んでくださる方…。
いつも読んでくださる皆さん、ありがとうございます…!次の週も、お元気でお過ごしくださいませ!!
それでは、また来週~!