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#65【整体】機能的な姿勢について
ちょうど1年ほど前に、東京で仙腸関節に関するセミナーを受けました。その仮説を念頭に置きながら、1年間整体を続けてきました。
整体を通して、やはり吉岡先生の仙腸関節に関する仮説は「確からしい」と思っています。
仮説について詳細に書くことは私にはできませんが、仮説をもとにした姿勢の見方をここいらで書いてみようかと思います。
すべて私の感覚の話です。参考にしてみようかなという方は読んでみてください。
1.標準の姿勢
左右の仙腸関節には機能の差があり、それは利き手によって規定されます。ということは、90%が右利きですので、90%の人間は同じ姿勢だということです。
この標準の姿勢について紹介します。
手書きで恐縮ですが、こちらが標準の姿勢です。
![](https://assets.st-note.com/img/1728877670-Y8mG7n4WhBeJULxEjXRFCMic.jpg?width=1200)
見てもらえればわかるかなと思います。
これ以上でもこれ以下でもありません。
次に施術にあたっての考え方について書きます。
2.「標準の姿勢」というのは「機能的な姿勢」である。
吉岡先生の仙腸関節に関する仮説をどのように整体に応用すればいいのかをずっと考えてきましたが、最近やっとそれが掴めてきました。
大事なのは「機能的かどうか」という視点です。
仙腸関節には構造の差があり、それは機能の違いを生み出します。そしてそれは左右の股関節や左右の肩関節についても同様なのです。
なので、標準の姿勢に近ければ近いほど、その人の体は機能的であるということです。
左右差はあって当たり前です。それは仙腸関節の仮説の大前提にもなっています。
仙腸関節の構造は左右ともに同じ形というのはありえません。仮に左右が全く同じ形をしていると、人は立てなくなります。
つまり左右で姿勢が揃っている状態は、仙腸関節の左右差を無視している状態なので、機能的とは言えません。よって整体のゴールは左右のバランスを整えた姿勢ではありません。
整体のゴールは上に示した「標準の姿勢」です。
上に示したように体が傾いているとき、人の体は機能的に良好な状態で動くことができます。
機能的に良好ということは、関節運動のエラーが少ないので、関節を痛めたり、どこかの筋肉が異常に緊張したりということはなくなります。
3.異常と正常をどう見分けるか。
整体を受けに来る人たちは、体に何かしらの異常を感じている人たちです。
まずは標準の姿勢となっているかどうかが重要です。
例えば両股関節が外旋している状態は、異常です。右股関節はそれでいいのですが、左股関節は内旋している方が機能的であります。
左股関節が外旋している状態は機能的ではないので、どこかに必ずそのしわ寄せが来ています。(ハムが過剰に短縮しているなど)
次に、標準の姿勢ではあるが、関節の可動域が制限されているものは異常です。
例えば左の股関節は内旋している方が機能的ですが、だからといって外旋できなくてもいいというわけではありません。
普段は内旋位にあったとしても、いざというときはしっかり外旋できるだけの関節運動の遊びがなくてはなりません。
大きくこの2つの視点で見れば良いかと思われます。
痛みが出る動作を確認し、これら2つの視点で見たときの姿勢と併せて考えることで機能的なエラーを起こしている関節を見極めます。
4.症例
比較的多く見られるのは、左腰部の腰痛です。
左の股関節は内旋位であるのが機能的ではありますが、それ故に中殿金や大殿筋は常に伸張され筋力が低下します。
殿筋の筋力が低下すると仙腸関節を支えることが難しくなるので、腰椎に過剰な負荷をかけて腰痛を引き起こします。
こういう方は、股関節の外旋が制限されている可能性が高いので、股関節を外旋に誘導すると良いでしょう。
今日紹介したのは、すべて私の感覚で書いたものです。
これが正しいとも思っていませんし、まだまだ不完全な状態です。
しかしこうした視点で施術をすることで一定の効果をあげているという自負もあります。
参考になれば幸いです。