電気泳動装置を作ってみよう③コームの自作
お久しぶりです。
前回までの記事↓で、電気泳動装置本体、電気泳動を行う際に使うゲルを固めるためのゲルトレイを制作しました。
電気泳動を行う際、ゲルに泳動させるDNAを入れる溝(ウェル)を作る必要があります。
このウェルを作る器具が「コーム」です。
今回は、このコームを自作していきたいと思います。
なお、前回までの2つの記事を読んでいることを前提に書いていきますので、もし読んでいなかったり、分からない部分があれば読んでおくことをお勧めします↓
本文
前回の記事でも少し触れましたが、持っている電気泳動装置の正規品に付属しているコームの↓をもとにして設計します。
コームの設計図です↓
アクリルはクリーンベンチやゲルトレイを作る時にもお世話になった「はざいや」で注文。1枚78円で、送料(990円)がほとんどを占める結果となってしまいました↓
↓届いた板に、設計図を元に線を入れます
↓アクリルカッターを使って切断していきます。
カットの最後のところは特に力が必要になります。
また、溝を作るのと反対側の面のフィルムを剥がしておくとアクリル板のカットがしやすくなります。
横部分のカットも、溝をうまく作るのが大変だったので、注意してくださいね。
完成したコーム↓
出っ張った部分をゲルトレイに流し込んだゲルの中に差し込んで、固まったら抜くと差し込んだ場所にウェルができる感じです。
次に作る部品について
次回は、泳動したDNA断片(バンド)を観察するための「トランスイルミネーター」を自作する予定です。
電気泳動で使うゲルには、泳動したバンドを観察するための色素を含んでいます。
しかし、この色素は一定波長の光を当てないと発光(励起)しないという性質を持つので、そのような波長の光を当てて励起させるのがトランスイルミネーターの役割というわけです。
ぼくが実験器具の自作で参考にしているサイト「バイオハッカージャパン」(以下、BH)では、励起波長を含むLED懐中電灯とダイヤロックフィルターを使ってDNAを観察していました↓
しかし、現在、このような懐中電灯は全て品切れとなっています。
そこで、一定の波長を出すLEDを購入し、ライトの回路を自作する必要があります。
BHでは励起に505nmを含む波長を使っていましたが、ぼくが使おうとしている色素↑の励起波長は490nm(290nmもあるが、紫外線なので、またLEDを探して、購入し、回路も自作していきたいと思っています。
次回はこちら↓