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【エッセイ】次女の、切ない我慢の話
二人目を産んだ時に、「お姉ちゃんに我慢させないようにね」とよく周りから言われた。
第二子以降を生んでも、一人目ファースト、というスタンスがどちらかというと日本ではスタンダードな気がしている。
我が家はその教えに従った訳ではないが、長女が絶賛イヤイヤ期のど真ん中であったこともあり、次女が産まれてからも基本的には長女ファーストで過ごしてきた。
2人泣いたら、まずは長女のケアから。
お風呂上がりは、次女を先にあげてミルクをあげたら、長女の髪の毛を乾かしている間は次女は泣いても放置せざるをえなかった。
そんな日々を過ごした結果、次女はあまり泣かない、ひとりで勝手にこてんと寝る、非常に世話のかからない赤ちゃんになってしまった。
長女のときは毎日1時間も2時間も抱っこして寝かしつけして、夜中も何度も暗い部屋を抱っこして歩き回ったのに、
次女にいたっては寝かしつけもいらないし夜も泣かない。
こちらから、「抱っこしてもよろしいでしょうか…」と頭を下げて抱っこさせていただいているような状態だ。
そんな次女が、珍しく今朝、5時にひとりで起きた。
いつもは長女に起こされるまでぐっすり寝ているのに、どうしたのかなと思って、隣で薄目を開けながら見ていた。
泣くこともなく、ただ、うーうーあーあーと声をあげて手足をじたばたしている。
30分ほど見つめていると、薄暗い部屋で目があった。
目があった瞬間、糸が切れたように泣き始めた。
我慢していた涙が、ぼろぼろと2つの目から流れてきた。
慌てて布団から飛び起きて、おむつをあけると、いまにも漏れそうなくらいの水っぽいうんちが一杯だった。
たぶん、うんちをして起きて、気持ち悪いなと思いながら、でも、またママはいないしな(またお姉ちゃんのところにいったのかな)と思って、我慢していたのだろうか。実際は隣で寝ていたのだが。
その我慢強さに、切なくなって、思わずうんちをしているのを忘れて抱き上げてしまった。
一人目ファーストが世間の定石なのかもしれないが、二人目にももう少し気をかけてあげないといけないな、と反省した朝の出来事だった。