”おもちゃをねだる”子どもの心理は「所有物」と「親の愛情」の確認【育児哲学#36】
公園の砂場で遊んでいる他の子のおもちゃを欲しがったり、きょうだいのおもちゃをうばい取ったり。
子どもが少し大きくなると、今度はおもちゃ屋さんで買って買って!とダダをこねる・・・。
他の子のママや、周りの目が厳しくなってストレスを感じることがあるかと思います。
年齢による差もありますが「おもちゃをねだる」子どもは「所有物」や「親からの愛情」を確認したい、という心理からおこることがあります。
他人のおもちゃや、お店のおもちゃをねだったりするときは、子どもの本当の欲求を落ちつて判断し、対応をしてください。
トレド大学の研究者の研究で、おもちゃを少ししか持っていない子どもは、おもちゃをたくさん持っている子どもよりも独創的に遊び、遊びにもより熱中することがわかりました。
「子どもにおもちゃを与えるな!」と言いたいのではありません。
「本当にねだっているおもちゃは欲しい物なのか?」
「子どもの本当の欲求はなにを求めているのか?」
いっしょに考えてみましょう。
子どもの本当の欲求がわかると、親は子どもに必要なのは本当におもちゃなのか、それとも愛情なのかがわかります。
こちらの記事では、子どもが「人のものを欲しがる」心理についての哲学と「おもちゃをねだる」ことについて年齢別の対応をご紹介いたします。
【哲学】
本当は欲しくないものを
与えられずに
感情を害することが、
なんと多いことか!
人間の「所有欲」は子どもから大人まで、けっして無くなるものではありません。
自然な欲求ではあるのですがコントロールすることで、ストレスをおさえています。
子どもは所有欲のコントロールが苦手。
買って!買って!とねだることも、成長の証して、まずは優しく見守りましょう。
2歳までの子どもが人のものを欲しがる心理
生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ自分と他人の区別もついていないと考えられています。
だんだんと「この人はママ」「これはパパ」「知らない人」という区別がつきはじめ、人見知りや後追いをするようになります。
2歳前後になり自我が生まれはじめるといわれています。
しかし、「自分のモノ」「人のモノ」という所有の観念は、3歳になるまで理解が難しい時期です。
おもしろそうなおもちゃを見たときに「人のものだから許可をとらなくてはならない」と言われ、理屈はわかるけど「どうしても使いたい」もしくは「貸したくない」という気持ちを抑えるのは困難。
おとなしい子やものごとに執着しないタイプの子どもなら、親の指示にしたがうこともありますが、この時期は人のものを欲しがって聞かない・貸せないのは、ある程度しょうがないことだと考えて対応してください。
「かして」「いいよ」の言葉をしっかり教えてあげ、遊ぶときにもサポートしてあげましょう。
3歳・4歳・5歳の子供が人のものを欲しがる理由
3歳を過ぎると保育園などで「これは〇〇ちゃんの靴!」と教えてくれるなど、「これは誰のもの」という感覚が理解できる子が増えてきます。
子どもは成長とともに「いますぐ使いたい!遊びたい!」という欲求から「これを自分のものにしたい!」という所有欲がめばえてくるようになります。
所有欲のコントロールが苦手なこの時期は、遊具やおもちゃの奪い合い、他の子のおもちゃを「買って!買って!」とダダをこねます。
しかし、成長とともに「モノを手に入れても自分が同じように遊べるわけではない」と気付きはじめ、4歳・5歳になるにつれて、こういった行動はへっていくでしょう。
小学生が人のものを欲しがる心理
小学生になれば、子どもも欲求をコントロールできるようになってきます。
ですが、小学校高学年になると、周囲への注意力や関心が高まってくるなかで、人のものは目新しく見え、うらやましくなったり、欲しくなったりします。
しかし、力づくで奪ったり、こっそり盗んだりは人としてやってはいけないこと。
また、他の子が持っているからといって、なんでも同じものを買ってもらっていてはお金の大切さや使い方を理解することはできません。
おねだりされたらすぐに買ってあげたり、ダダをこねている子どもをほおっておいたりするのを、「子どもの意思を尊重している」ともっともらしく言う親がいます。
これは子どもを無視しているのと同じです。
子どもが求めているのはあなたの愛情です。
こういった子どもは親に認められることが少いため、モノを手に入れることでかわりに満足感を得ようとしています。
「なにか満たされないことがあるのかな?」と立ち止まって考えてみてください。
まとめ
欲しい気持ちは否定せず、それを適切にコントロールしたり我慢することを覚えていけるようにサポートするのが「親にできること」です。
おもちゃは物欲を満たすかわりに、親からの愛情をまぎらわすものでもあります。
「おもちゃを買って与える」のではなく、愛情のこもった「プレゼント」として、お誕生日や記念日、そして、数日とせまったクリスマスに子どもに送ってみてはいかがでしょうか。
あ、クリスマスはサンタさんからのプレゼントでしたねw
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