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それでいいのか働き方改革〜昼休みカットに踏み込んだ学校があると聞いて〜


 学校における働き方改革って誰のための改革なのでしょうか?

 



 言うまでもなく教員ですよね。「多忙すぎる教員の負担を軽減するために行われている」んですよね。

 


 じゃあ、何のために「多忙すぎる教員の負担を軽減する」のでしょうか?




 ・減少傾向にある教員志望者を増やすため。
 ・教員が心身ともに健康で、業務に当たることができるようにするため。
 
 とかになるんですかね??




 ではどうして
 ・減少傾向にある教員志望者を増やす
 ・教員が心身ともに健康で、業務に当たることができるようにする 
 のでしょうか?





 それは・・・







 子どものため




 

 ですよね。


 教員が忙しすぎて、また人数も足りてなくて、子どもが不利益を被っているから始まったのが学校の働き方改革だったはずです。

 しかし最近、働き方改革によって子どもが不利益を被る、こんな例を聞くことが多いと感じていたところでした。その一つが「昼休みカット」です。

 昼休みをカットし、その分教員を早く返すという試みだそうです。考えとしては分かります。数々の業務削減が行われる中、削れるのがここだけというのも分かります。

 でも、本当にこれをやっちゃっていいのでしょうか?

 多くの子どもにとって昼休みは最高に楽しい時間のはずです。実際に僕の学校で行った「学校が楽しいか」を問うアンケートでは、「楽しい」と答えた児童のうち殆どが、何なら約9割が「友達と遊ぶのが楽しい」「友達と話すのが楽しい」「昼休み遊ぶのが楽しい」と答えていました。

 この事実を鑑みると、昼休みをカットすることの残酷さが分かります。昼休みに友達と遊ぶことだけを楽しみに学校に来る児童も少なくないはずです。

 また僕自身、「昼休み以上に教育的な価値を生み出せる場は学校に存在し得ない」と考えています。授業をする身としては悔しいですが、結局子どもは遊びの中で最も主体的になり、創意工夫を発揮し、他者と協働し、成長していくのだと思います。少なくても僕がする授業なんかよりはよっぽど昼休みの方が価値が高いと思っています。

 よって、僕は学校から昼休みをカットするのは悪手なのではないかと考えます(個人的な考えです!)。


 「昼休みカット」のように時間をカットする系の改革は僕の勤めている学校でも行われています。実際ある程度までは効果的なのでしょう。しかし、僕たち教員が感じている負担感って「子どもが学校にいる時間が長い」ことから生じることなのでしょうか?

 中にはそういう人もいると思います。でも、根本はここではないと思うのです。以下に僕が感じる負担感を羅列します。

 ・業務量が教員によって偏っていること
 ・マンパワー主義であること
 ・業務の範囲が不明瞭であること
 ・評価規順・成果が不明瞭であること
 ・そもそもどんな子どもを育てたらいいのか方針がありすぎて分からないこと
 ・優れた教育技術が共有財産となっていないこと

 こうやって羅列してみると、学校の組織とての脆弱性が原因であるのではないかと感じます。これらの組織上の問題を一言で表すとするならば

 「雰囲気で動くことが多すぎる!!」

 ってことです。何もかもが不明瞭だから、何となくの雰囲気で、みんなが別々の方向を向いたまま、非常に効率悪く学校が運営されているって感じがします。

 先生方の持つ力を全て足し算したら100になるとします。これこそ雰囲気的な憶測なのですが、このうち20くらいしか発揮されていないような気がします。

 これでは多少子どもを返す時間を早くしたって、大きな効果は望めないのではないでしょうか。それどころか、子どもを返す時間によって失われた時間が「不登校」「学校不信」などに繋がり、負担に拍車をかける可能性すらあるのではないでしょうか?

 だから、学校がまず取り組むべき働き方改革は、”組織のあり方の改革”なのではないでしょうか?


 
 とはいえ・・・。教育って曖昧な部分が非常に多い職業です。一般企業における利益のように、絶対的に正しいと言える指針がないからこそ、難しいところがあります。

 だから、学校の状態や学級の状態、こういったものを数値化するツールが必要です。こういうツールの作成をしてもらい、これに基づいた評価体系・業務体系を作り上げていくことが働き方改革に繋がっていくのではないでしょうか!

 ここまで読んでくれてありがとうございました!!

 






<余談です>

 学級の状態を数値化するツールとして、既存のものでいくと、Q Uなどがありますよね。学級の状態を数値化してくれるものです。これを一つの指針にすれば、先生方で知恵を出し合い、より効果的で合理的な学級経営、学年経営、そして学校経営ができるはずです。

 
 数値化することに抵抗を覚える人も多いと思います。実は僕もそうで、正直怖いです。

 でも、数値化することによってみんなで課題を共有できます。課題を共有することで力を合わせることができます。力を合わせることで、より効率的で効果的で子どものためになる手立てを取ることができます。

 最初の抵抗感さえ乗り越えられたら・・・。教員にとって学校は今以上にやりがいのある、楽しい現場になるのかもしれません!!

 


 




 

  

 



 

 

 

 


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