最近の親は子のしつけができない



 ってよく話題に上がりますよね。でも本当にそうでしょうか?「子育ての難易度自体が上がっている」。僕はこう思うんです。

 


 教育とは人類が積み上げてきた叡智を子どもに追体験させるものだと思っています。長い時間をかけて豊かになった現代人に至るまでの歩みを子どもが歩み、現代における理性的な存在になっていく、こんなイメージを僕はもっています。

 イタリアのコロッセオを思い浮かべてくれますか?古代ローマ人にとってはライオンと人間の戦いを観戦することが娯楽だったのです。ですが今こんなことをしたら野蛮人扱いです。

 この事例だけでも、人類は確実に野蛮な存在から理性的な存在へと歩みを進めてきたことがわかります。

 歩みを進めてきた。叡智が積み重なってきた。これらを追体験させ、現代における理性的な存在に育て上げるのが教育だと言う前提に立った時、このような仮説が生まれるわけです。

 「叡智の積み重ねが多くなればなるほど、子どもに身につけさせなくてはいけないことが増える。だから、子育ては時代が経つにつれて難しくなっていくのではないか?」

理性化のスピードが凄まじい現代です。一昔前まで当たり前だったパワハラやセクハラ、体罰を伴った教育、最近では大きな声をあげての叱責なども、所謂「野蛮な行動」「理性的ではない行動」として捉えられるようになりました。

 だから今の親は、一昔前より理性的な存在へと子どもを育て上げることを求められているわけです。このような子どもを育てるのであれば、親自身にも理性的な行動が求められます。

 一昔前は当たり前だった体罰を伴った子育てをすればすぐに児相へ通報されます。

 一昔前は当たり前だった大きな声をあげての叱責をすればすぐに児相へ通報されます。

 子どもに言うことを聞かせるための、手っ取り早い方法を使えないというだけでも、子育ての難易度は以前と比べ物にならないでしょう。


 これらに加え、経済・時間的余裕のなさや、親・子どもへの社会的不寛容等がプラスされるわけです。子育ての難易度が上がっていることは明らかです。

 こんな状況の中、必死に子育てを頑張ってくださっている方々がいる。まずはこのことを社会全体の共通認識にする必要があると思います。

 


 子育ての大変さを一ミリも分かっていない僕が生意気にも子育てについて記事にしました。あくまで、歴史的な観点から客観的に子育ての難易度について述べてみたものだということをご理解いただければ嬉しいです。

 子育ての難易度が爆上がりしている状況において、日々子どもと向き合ってくださっている保護者の方々には頭が下がる思いです。心の底から「すごいな・・・」って思います。

 僕も教育に携わるものとして、常にこのことは頭に入れて保護者の方々ともお話しできたらと思います。







 まあ・・・学校も余裕ないので負担の押し付け合いみたいになっていることは否定できませんが・・・。自分もぶっちゃけこういうところありますし・・・。



 本当、口で言うのは簡単なんですけどね💦


 

 

 


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