![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/40709668/rectangle_large_type_2_fcdccf7aedb3c6e4bbe2841235dda5ae.jpeg?width=1200)
Photo by
ysgenfu
『ザ・クリスタルボール』②日本小売業での実例
『ザ・クリスタルボール』
エリヤフ・ゴールドラット 著
日本小売業界の習慣からの実例
本書では小売業の在庫管理を最適化する方法について、小説という形式でまとめられている。
いくつもの教えが散りばめられているが、特に僕が重要だと思ったのは以下の二つだ。
①在庫管理の中央集約化
②多頻度少数の納品
実は上記2つについて、日本の小売業界では古くから実践がされているように思う。
まずは①在庫管理の中央集約化について。
日本の流通では「卸」がこの役割を持っていたと推察する。「卸」の存在により、小売は必要以上の在庫を持つ必要がない。これは「卸」による在庫の集約化といえる。
日本は欧米と比較してメーカー数が圧倒的に多い。そのため中間業者として「卸」が存在することで、メーカーと小売の最適化が図れていたのだろう。
もっとも近年の日本では小売業の統廃合が進み、小売の規模が拡大している。それにより「卸」と小売業のパワーバランスは崩れつつある。
次に②多頻度少数の納品について
こちらはコンビニエンスストアでの取り組みが有名だ。
特に食品については賞味期限の関係上、在庫を長期で保管できない。そのため多頻度少数の納品は物流戦略として重要な意味を持つ。
特に日本コンビニ王者であるセブン-イレブンは、1日3便配送体制によっておにぎり・弁当の欠品を最小限にしてきていた。
ゴールドラット博士の「発見」は、実は既に日本における企業の成功事例では定着していたのではないだろうか。