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【双極性障害とともに生きていく】遠野なぎこさんの告白

玉置浩二さんのこともそうでしたが、女優の遠野なぎこさんのことも誤解していました。結婚・離婚を繰り返して、「この人、大丈夫なのかな」と思っていました。

先日のインタビューで、母親から受けてきたとても悲しくて辛いことを告白されていて、最終的に縁を切ったと知り、正直少し安心してしまいました。私も同じ思いをしていたからです。

私も両親、特に独善的な父親から著しく偏った価値観を押し付けられ、「マンガNG」「歌番組NG」「電車に乗っての外出NG」「映画NG」「ウインタースポーツNG」「友達と遊ぶNG」。理由もわからず、でも父親の言うことだし、母親も父親に従属的な人だったので、そのルールを守るしか選択肢はありませんでした。

というか、そのルールに疑問を持つ力も奪われていたので、「これは当たり前のことなんだ」と、それ以上深く考えることはありませんでした。

その中で、私は両親から認められたくて勉強を頑張りました。もともと不器用で頭が悪いので、とにかく参考書を丸暗記して、父親が文句を言わないような県内随一の進学校へ入学し、父親の一浪して入学した大学よりも有名な大学に現役で入りました。

でも、繰り返しますが、私は本当は頭が悪いので、大学の授業はちんぷんかんでした。でも、日本の大学なんてゆるいです。適当に論文を書いて無事卒業しました。私なりに一生懸命書きましたが、ろくな内容ではありませんでした。

「頭が悪い」と言っている通り、私は自分に対する評価が著しく低いです。ブサイクだし、コミュ障だし。案の定、社会人になってなんの役にも立ちませんでした。

って、自分では思っています。

遠野さんの言われる通り、自分の過去を語ると不幸自慢になるようで、ずっと誰にも話してきませんでした。が、ある時気を許して中学校の同窓会で「私、父親が嫌い」「父親から精神的虐待を受けて…」とチラッと打ち明けたところ、周りの男子から「聞きたくない!」「お父さんは悲しんでると思うよ」と言われ、それ以降同窓会には行っていません。

どうせ私の抱えてる苦しみなんて、誰もわかってくれないから。

でも今は、カウンセラーの先生に何年もかけて全てをさらけ出して、過去の嫌な記憶の一つ一つと向き合っています。そうすることでしか、今は私の中の「本当の私」を癒すことができない気がしているのです。

遠野さんや私のように、親から愛されなかった人は他にもきっといるのだろうと思っています。こういう話が、もっと自然に話せる世の中になったら、誰かに助けを求められる世の中になったら、少しは楽になるのかなと思いますが、まだまだ先のように感じています。

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