ゲーム開発者の地図: 20年の個人開発から学んだこと を読んだ【書評】
こんにちはtozicaです。
今日はきんきん金曜日!
「ゲーム開発者の地図: 20年の個人開発から学んだこと」を読んだ
通称「ウディタ」って呼ばれてる「WOLF RPGエディター」っていうゲーム制作ツールがあるんですよ。
同人エロゲー界隈だと割とよく使われてるので、我々にとってはかなり馴染み深いツールなんですけど。
今回読んだ本は、このウディタや「片道勇者」といった作品を作られているSmokingWOLF氏が、個人でのゲーム開発におけるノウハウとかを色々書いた本ですね。
発行されたのは2017年なので、ちょっと年季は入ってるかも。
Kindle Unlimitedの対象になってたから試しに読んでみたんですけど、思った以上にとても良い本だった!
個人ゲーム制作者が直面しがちな問題と、それらに対する筆者なりの乗り越え方について色々書かれていて、そこがすごく斬新というか、他のゲーム制作系の書籍ではあまり見ないタイプの切り口で良かったですね。
逆に言うと、ゲーム会社で仕事としてチームでゲーム作ってるような人にはあんまり参考にならなさそう。
筆者がRPG制作ツールを作ってる方なのでやはりコマンドRPG寄りの話題が多いんですけど、それでも参考にできる部分とか、共感できる部分は多いなって感じました。
例を挙げると以下のような課題が出てくるんですけど、どれも基本的に「個人のキャパシティの範囲内で」という前提がついた上での議論になってるのが、とても良い。
ゲームバランスはどう調整すればよい?
ゲームのタイトルはどう決めればよい?
キャラクターのデザインや名前を決める時に意識することは?
ゲーム制作のモチベーションはどう維持させる?
あとは、それぞれのテーマについて座談会的な感じで複数の開発者さんでおしゃべりしてるパートがあったのも楽しかったですね。
このパートがあるおかげで、本文中で議論しきれなかった部分がうまくカバーされてるような感じになってて、書籍全体として割と隙のない形になってた気がする。
単純に、こうやってゲーム開発者がゲームの話をわちゃわちゃやってるのを見てるだけでも楽しいですしね。
まぁ、流石に7年前の書籍なので、話の中で出てくるゲームタイトルには時の流れを若干感じなくもなかったですけど。
ゲーム制作のモチベーションの維持に関するパートで、「ゲーム制作初心者のうちは、ゲームを完成させるのを目的にするのではなく、少し作る度に公開する『連載型式』で作ると良いかも」みたいな話があったんですけど。
個人的には、そこのくだりがめちゃくちゃ共感できて良かったです。
わたしもゲーム制作者としては15年くらいやってるわけですけど、最初の10年くらいはまさにこのやり方だったんですよね。
「リョナゲ製作所」っていう匿名掲示板がありして(今も細々と残ってはいるんですけど)、
そこでゲームをちょっと作る度に公開して、色々コメントもらったりして。
当時は今ほど同人エロゲーが出回ってない時代で、素人の作ったバグだらけの未完成ゲームでも皆こぞって遊んでコメントくれるような環境だったので、今思うとすごく恵まれてたなぁって思います。
そんなわけでわたし自身、活動初期にそうやって人に喜んでもらった原体験があるからこそ、ここまで頑張ってこられた気がするんですよね。
だからこの章の文章はずっとウンウン頷きながら読んでたし、最近ゲーム制作を始めたような方にもオススメしたいやり方だなって思います。
今だと同人エロゲーも大量に出回ってるので、なかなか昔のようにはいかないのかも知れないですけど…。
そんなわけで、個人でゲーム開発している方は読んでみると良いのではないでしょうか。
上でも書きましたけどKindle Unlimitedの対象にもなってるので、1ヶ月無料体験の時にでもどうぞ。
おしまい。