超常現象の科学 ~ なぜ人は幽霊が見えるのか【書評】
こんにちはtozicaです。
今日は日曜日!
超常現象の科学 なぜ人は幽霊が見えるのか を読んだ
昔からもともとオカルト的な諸々は全く信じてないタイプの人間ではあったんですけど。
ただ一方で、でもじゃあそういう物に対してどう科学的に説明できるかという話についてはあんまりちゃんと知らないよなぁってふと思ったんですよね。
そんなわけで、最近はこの「超常現象の科学 なぜ人は幽霊が見えるのか」という本を読んでいて、この前読み終わったので、その感想を書きます。
一言感想としては、近代史における超常現象にまつわるエピソードを色々知ることができて面白かったし、それらに対して科学者が行った実験とかもいちいち面白くて、すごく満足感がありましたね。
本書では、超常現象の種類ごとに章が分けられていて、例えば1章では占いについて、2章では幽体離脱について、3章ではサイコキネシスについて…という感じで章立てがされています。
そして各章では、その超常現象が今までどのように信じられてきたかという歴史的なエピソードから始まり、その現象を科学者たちがどのような実験を通じて科学的に紐解いてきたか…ということを追体験していくような構成になってる。
どの章も良かったんですけど、個人的に特に面白かったのは4章。
この章ではいわゆる降霊術に関する話をしていたんですけど、それにまつわる歴史エピソードがすごく面白くて。
そこでは、ある2人の姉妹が幽霊と対話する方法を見つけ、それが降霊術として体系化されて、ウィジャボードといった商品も開発されて一大ブームとなって…といった1900年代におきた一連の降霊術ブームに関する話が描かれます。
これらの話自体も近代史におけるおもしろエピソードとして十分に面白かったんですけど、それ以外にも個人的な発見が多くて、そこがアハ体験としてすごく楽しかった。
「ウィジャボードって名前だけは聞いたことあったけど、これのことだったんだ!っていうかこっくりさんもこの類型じゃん!!」とか。
「スピリチュアルって言葉を最近よく見るけど、起源はこの姉妹が作った宗教(スピリチュアリズム)だったんだ~!」とか。
それ以外にも、これらの降霊術のトリックを暴くためのカギである「観念運動」を科学者たちがどんな実験によって見つけていったのか…というあたりの話も面白かったですね。
今ほど工業技術が発達してなかった時代においては、科学者たちもだいぶ泥臭い方法で実験器具を用意して実験を実施してたんだな…っていうのが分かって、それがなんか良かった。
そんなわけで、近代史におけるオカルティックなエピソード集としても、ポピュラーサイエンス本としても、非常に秀逸な一冊でした。
面白かったです。
おしまい。