欲情の文法【書評】
こんにちはtozicaです!
今日は日曜日!
欲情の文法 を読んだ
エロゲー制作をしていると、何かとシナリオライターの真似事のような作業を行う必要が出てくることがあります。
「カナデロオグ」でもイベントシーンや敗北シーンにおける文章を書いたりしましたし、「うちのこファンタジア」でもフェイタルログというイベントの中で表示するための文章をちょこちょこ書いたりしてる。
これまでも雰囲気でなんとなくやってきたわけなんですけど、そろそろちゃんとした方法論を知識として取り入れておきたいなーって思ったので、今回は「欲情の文法」という本を読みました。
400点以上の官能小説を30年以上にも渡って書き続けてきた筆者による、官能小説を書く上でのハウツーをまとめた本。
昨日のお昼過ぎに読み始めて、2時間くらいでサクッと読み終われるくらいの分量だったので、なかなか手頃な感じで良かった。
というわけで、なかなか面白かったんですけど。
ただね~~~~、自分が本来求めてた感じとはちょっと違ったなーっていうのが本音ですね。
この本、あくまで「官能小説を長年書き続けてきた筆者がその執筆活動の中で培ってきた経験則やポリシーを語った本」であって、「エロ小説を書く上で一般に成り立つ本質的な法則や理論を述べた本」ではないんですよね。
なので、筆者の人の個人的な好みとかがめちゃくちゃ出てくるし、別ジャンルだと全く成り立たない感じの話が多い。
これとかわたしとかTwitterの相互フォロワーさんとかの創作ジャンルでは全然成り立たないですもんね。
かわいそうな女の子はかわいい!!!!っていつも思いながら創作してるので。
ただ、ちょいちょい出てくる筆者の若い頃のエピソードがいちいち変態度高めなのはちょっと面白かったですね。
DLチャンネルとかで書かれるタイプの変態オナニーエピソードが各章で最低一個は飛び出してくる。
そんなこんなで、エロ小説の書き方の理論を知るための本というよりは、筆者のフェチズムや若いころのオナニーエピソードをひたすら読まされる本…という感じになってました。
だいぶ…思ってたのと違ったな…。
とはいえ、全く参考にならないかというとそうでもなくて、例えば「官能小説では予定調和が大事」みたいな話は、エロゲーとか他のエロコンテンツにも通じる話だよなーって思って、なかなか興味深かったですね。
あとは、ちょっと油断したら見つかりそう状況でセックスするのも、あくまで「見つかりそう」というドキドキで興奮を高めるためであって、そこで実際に見つかるような展開は基本書かない、みたいな話もあったりして、「なるほどなぁ…」って思った。
もちろん、ターゲット層によっては逆に見つかっちゃう展開の方が良いこともあるんでしょうけど、どちらにせよ「ユーザーの期待に応える」っていうのが肝心なんでしょうね。
というわけで、めちゃくちゃ参考になったかといえばそうでもなかったんですけど、なかなか面白い本ではありましたね。
余談ですけど、文中でちょいちょい「最近は規制があるので登場人物の年齢は18歳未満にできない」みたいな話があって、世知辛いな…ってなりましたね。
「現実ではできない性体験ができるのが官能小説の魅力!!!」みたいな話をした数ページ後に「18歳未満のヒロインを出しちゃうと出版できないので…」みたいな話が出てきてて、ちょっと悲しい気持ちになっちゃった。
おしまい。