十三機兵防衛圏をクリアした
こんにちはtozicaです。
今日は木曜日!
普段は毎日ゲーム制作の日記を書いてるんですけど、昨日はあんまりゲーム作りしないでずっと「十三機兵防衛圏」を遊んでたので、そのことを書くよ。
ネタバレとかも気にせずに思いっきり書くので、未プレイの方は気をつけてくださいね。
というか未プレイなら遊ぼう。遊べ。
というわけで、感想
すごく…すごく良かった。
色んな人が「十三機兵防衛圏はいいぞ」botになってるのを今まで何度も見てきたわけですけど、わたしもついにそっち側になっちゃいました。
終盤はワクワクが止まらなくてついつい一気に遊んじゃった。
ストーリーについて
なんというか…一言で感想を述べるなら、すごく"贅沢"なSFアドベンチャーだったなぁという感じでした。
巨大ロボット、タイムトラベル、タイムループ、ナノマシン、クローン、怪獣侵略、AIと哲学的ゾンビ、シミュレーション仮説…などなど、それ一つだけでも一個の作品テーマになるような異なるキーワードを、これでもかとお鍋に放り込んでまとめて煮込んだような、フルコース料理のようなゲームだったと思う。
これだけ色々な要素を突っ込んでもなお、作品として破綻してないのは正直にすごい。
ストーリーの個別の展開にはここではあまり言及しないんですけど、全体の感想としては、メインの登場人物に根っからの悪人が一人も居なかったのと、そんな彼らが全員とも最終的に何らかの救済を得ていたというのが、個人的に読後感がすごく良かった。
まあ…井田くんあたりはちょっと悪人ボーダースレスレなところもあるけど、EDシーンでのまるで憑き物がとれたみたいなやり取りで、なんか許しちゃったな。
個人的には、鞍部くんパートの終盤が今作を遊んでて一番テンション上がりましたね。
芝くんこと426の真意がついに明かされると同時に、今まで崩壊編で遊んできたシミュレーションゲーム部分がそのゲームシステムごとストーリーに繋がってくるっていうのが、ちょっとメタ演出っぽい味わいもある感じでめちゃくちゃ良かった。
そこまで「登場人物達の怪獣との戦いをプレイヤーにゲームとして遊んでもらうためのシミュレーションパート」だと思ってたのが、実は作中世界でも本当にシミュレーションゲームそのものだった事が分かった時の鳥肌ときたら。
そこからの鞍部くんと芝くんの関係性も良かったな。遊戯と闇遊戯みたいな感じで。
あとは、エンディングシーンでそれぞれの男女ペアが皆しっかりくっついて子供とか作ってたのが、なんか良かった。
普通の作品だとそういう所ぼかしがちだけど、今作の主人公たちはまぁいわば「アダムとイブ」だから、ここまで描くのはむしろ正しい選択なんだろうなって思う。
シミュレーションパートについて
シミュレーションパートも面白かったなぁ。
難易度ノーマルでやってたので、詰まるどころか殆どダメージ受けることも無くサクサク進めてたんですけど、それでも最終ステージだけは本気で《死闘》って感じだったのが、すごくバランス調整の妙を感じましたね。
それまでのステージとは比べ物にならないくらいの物量が押し寄せてきて、最終ステージ終盤からクリアの瞬間までは本当に登場人物と心情がシンクロしてた気がする。
「お…終わった…わたし…生きてるの…?」ってなった。
あと、これ自体は比較的シンプルなシミュレーションRPGって感じのゲームシステムだったわけですけど、それがアドベンチャーパートの終盤で明らかになる「実は昔の怪獣侵略ゲームが動いてる」っていう事実といい感じにマッチしてて、そこが余計に没入感を高める感じで良かったなぁ。
敵のグラフィックがインベーダーゲームみたいなチープっぽい見た目なのも、ゲーム開始時はちょっと不満なポイントだったけど、今思えばそういう事なんだろうな。よくできてる。
アドベンチャーパートがけっこう色んな出来事が入り組んでて脳みそ使うから、そういう意味でもシンプルで気持ちよく遊べるシミュレーションパートはいい感じの箸休めって感じで良かったなぁ。
しょうが焼きの合間に漬け物食べるみたいな。
ミサイル系の武器でワーカーの群れをぼぼぼぼぼって殲滅するの、めちゃめちゃ気持ちいいですよね。
ヴァニラウェアのゲームとして
以前の日記でも書いたんですけど、ヴァニラウェアのゲーム、すごい好きなんですよ。
「グリムグリモア」もやったし、「オーデンスフィア」も遊んだし、「朧村正」も「グランナイツヒストリー」も「ドラゴンズクラウン」もやった。
サントラも全部持ってる。
それなのに十三騎兵防衛圏はなぜか何となく自分の食指が伸びなくてずっと触ってこなかったわけなんですけど、今回遅まきながら遊んでみて、確かにこれはヴァニラウェアのゲームだぁ…ってなった。
食べ物のグラフィックが異常においしそうなところとか。
あとはまぁやっぱりグラフィックが良い~~~~~。
「絵画が動いてるような」という形容がよく行われるヴァニラウェアのグラフィックですけど、今作はさらにその凄みが増してた気がする。
わたし自身わりと昔からヴァニラウェアのグラフィックに憧れてて、自分でゲーム作る時もパーツアニメーションを使ってゲームを作ってきたんですよね。
なので、ヴァニラウェアのゲームグラフィックの中身がどういう仕組みで動いてるかは他の人より知識を持ってると思うんですけど、それでも今作はちょいちょい「これどうやって動かしてるんだ…?」ってなる場面があった。
ワーカーダイモスがガシャンガシャン街中を闊歩してるシーンとか。
たぶんそこだけアニメーションがちょっとカクカクした感じになるから、全ての脚の角度ごとに描いてるのかな~って思うんですけど、だとしたら執念だなぁ…。
あと、ヴァニラウェアといえば大体いつもおっぱいバルンバルンのムチムチお姉さんがちょいちょい出てくるわけなんですけど、今回はそこらへんの成分を森村先生が一手に担っててじわじわ面白かった。
あの人だけ明らかにキャラデザの方向性が違う。ライダースーツ着てる時のその尻どうなってんだ。
なんかのシーンで比治方くんが「なんだあの保険医は…あんなのが居たら男子生徒は勉学に集中できないだろうに…」みたいなこと言ってて笑っちゃったんですよね。作中人物からの認識もそういう感じなんだ…って思って。
たぶん森村先生だけ常に「ムチッ…ムチッ…」って効果音が出てる。
まとめ
過去のヴァニラウェア作品で言うと「ドラゴンズクラウン」とかもそうだったんですけど、十三騎兵防衛圏は本当に「僕たちこういうゲーム好きなんですよ!!!どう!!???」みたいなのを原液でぶつけられてる感じで、それが無性に心地よいゲームでしたね。
ここらへんの感触は、フロムソフトウェア作品にも割と通ずるものがある気がする。
インディーゲーム魂というか、ゲームを商業製品として作ってる感じがしないというか。自分たちが作りたい物をまず作って、それを投げつけてきてる感じ。
そんなこんなで「もっと早く遊んでおけば良かったなぁ」と思いつつ「このゲームで遊べて良かった」って心から思える、とても良いゲームでした。
新作の「ユニコーンオーバーロード」も楽しみですね。
今年の3月発売だよ!!
おしまい。
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