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茶の湯は世界を繋いでいく

先日、茶道教室のお手伝いで、初めて茶会の設えに参加しました。

医学学会が日本で行われ、日本の文化を紹介するパートで茶道教室が設けられました。

海外の人に茶を振舞った時に、お茶をきっかけに心が繋がった瞬間に出会いました。

政治の世界でも、外交の一部として茶道を活用する場面があります。

なぜ、海外との交流の手段として茶道は扱われるのでしょうか?

このブログでは、

『新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想/岡倉天心(著)』より、

歴史上、茶道がどのような位置付けで発展したのかについて触れ、

お茶の魅力について考察し、行動宣言していきます。

■ 東西を繋ぐお茶

実に不思議なことに、このように相隔たってきた東西の人間性が茶碗の中では出会ってきたのである。

茶を飲む習慣こそは東西を問わず普遍的な敬意を寄せられる唯一のアジア的儀礼である。白人は東洋の宗教や道徳については嘲笑してきたが、この褐色の飲み物ばかりは躊躇なく受け入れてきた。

〈午後のお茶〉の慣習は今では西洋社会で大切な役割を果たしている。

盆や受け皿が触れ合う微妙な響き、もてなしてくれる女性のやわらかな衣ずれの音、クリームと砂糖はどうするかというような問答作法、こういったこまごまとした約束事の中に茶の崇拝というものが疑いなく確立されているのを私たちは知るのである。

客は、どんな煎じ加減の茶がでてくるのか、自分に与えられた運命を哲学的ともいえる諦念をもって静かに待ち受ける──この一例をとってみても東洋的精神があまねく浸透していることがうかがわれる。

岡倉 天心; 大久保 喬樹. 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想 (角川ソフィア文庫) . 角川学芸出版. Kindle 版.

西洋のティータイムにおいても、茶道の精神が宿っていることは驚きです。

英語で、茶道は「tea ceremony」と訳されます。

一方で、岡倉天心は茶道を「tea ism」として捉えていました。

まさに、仏教や道教と同じように、精神を鍛えていくことにその本質はあります。

■ ボストン茶会事件

まだ植民地だった頃のアメリカは長く本国イギリスの圧政を耐え忍んできたが、茶への重税が課されるにおよんでとうとう堪忍袋の緒が切れたのである。
急進派市民たちがボストン港内の茶船を襲って積み荷の茶箱を投げ捨てるという事件(ボストン茶会事件、一七七三年)がおこり、これをきっかけとしてアメリカはイギリスからの独立の道を歩みだしたのだ。

岡倉 天心; 大久保 喬樹. 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想 (角川ソフィア文庫) . 角川学芸出版. Kindle 版.

かつて教科書の挿絵で、ボストン茶会事件を見たことを思い出しました。

アメリカの独立にも、お茶が関係していたのです。

■ お茶の魅力(他飲料との対比)


茶の味わいにはなんとも微妙に人をひきつけるところがあって、その魅力にはとても抵抗することができない、これぞ理想の飲み物と思わせられるのだ。

西洋でも粋人たちは早速その芳香を自分たちの思想にとりこもうとした。

茶にはワインのような傲慢さも、コーヒーのような自意識も、ココアのような間の抜けた幼稚さもない。

岡倉 天心; 大久保 喬樹. 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想 (角川ソフィア文庫) . 角川学芸出版. Kindle 版.

この言葉の表現には感服です。

実家に帰ると、すぐに急須からお茶が注がれる場面が連想されます。

お茶のちょうど良い懐の深さに私たちは共感し、

人々が調和するため、昔から活用されてきたのでしょう。

そんな文化が日本にあることに、本当に誇らしく思いました。

■ 行動宣言

1.茶道を海外の人に伝えられるように英語について勉強する。

とても良い機会に巡りあうことができました。

初めて会った教室の生徒さんとも、お茶を通してたくさんの意見を交換いたしました。とても良い出会いです。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

これからも学びを共有していきます。


臨江閣 6月





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