見出し画像

チラシの底力〜飲食店におけるこれからの広告戦略〜

この20年で飲食店がよく使ってきた広告媒体を挙げてみた。

SNS
Twitter  Facebook  Insta  Youtube 
検索サイト

ぐるなび ホットペッパー 食べログ 

他にもブログ、Note、独自HP なんかもある。
今後は、音声メディアもメジャーになっていくであろう。

しかし最近、忘れ去られるほどではないが、ちょっと過小評価されている広告媒体がある。

チラシだ。
ビラっていう言い方もある。

このチラシという宣伝方法には、さまざまな配布しかたがある。
ポスティング、手渡し、新聞折込、ティッシュと一緒になっいたりもする。

これらは30年前までさかのぼるとメインの媒体だった。

まだ、商店街やちょっとしたイベントなんかでは配られているが、これに重きをおいて宣伝活動をしている飲食店はほとんどないだろう。

しかし、これはちょっともったいない気がする。

いつの時代もこの広告は効果があると判断されると大量に発信される。
そして、今度は受け手がそれに慣れてしまったり、飽きてしまい効果が薄れていく。
しかし、いつもその裏では必ず、数が減ってかえって目立つ媒体が存在する。

今この時代ならば、チラシがこれに該当する。

時代遅れが武器となる

現代社会では、新聞というメディアが衰退し、オンライン上の情報に完全にとって代わられてしまった。

新聞の折り込み広告は、新聞自体の発行部数が少ないことから多くの宣伝効果を望むのは難しい。

しかし、そんな中でも高齢者たちは昔からの習慣で新聞というメディアを選択して取り続けているのが現状だ。
SNSやスマホが生活の中にない人にとっては、チラシは楽しみだったりもする。
そうすると、この年配の方をターゲットとする飲食店はピンポイントで狙いを定めることができるのだ。

ポスティングも例外ではない。

確かに一時期は、ポストに入れられたチラシは、ワシづかみにされそのままゴミ箱に入れられていただろう。

しかし今はどうだろうか?


家に帰って、ポストに入ってるのは、せいぜい水道修理のマグネット1枚とチラシ2枚程度であろう。

この状況は、チラシ1枚がかえって目につくことになる。

もちろんスマホのように都合のいい時に、読み返すことは出来ないが 1、2枚のチラシならポストから取り出し、エレベーターのボタンを押した後にサッとみることができる情報量だ。

SNSの飽和

そして、やはりSNS疲れは顕著に出ている。
一時期のSNS広告ほどの効果が望めないのだ。
どのSNSもフォローを求めすぎた結果、毎日タイムラインにあがる情報は多すぎるようだ。
トップページは、1秒単位で変わっていく感覚だ。

もちろん、このSNSをメインの広告手段としている発信者もいるが、そもそも顧客の多い人気店のアカウントだったり、その店の経営者であることが多く、見る側からわざわざチェックする能動的な行動で効果を得ている。

そして、有効利用できているのは、キチンと毎日ように発信し、SNS運用に時間をさいているお店に限られている。

アフターコロナという追い風

今回のコロナ禍で、生活様式の変化はいろいろ取り沙汰されているが、最も飲食店に影響を与えた変化の一つに「商圏の変化」がある。

企業の出勤を控えさせる方針でリモートワークは急増し、コロナ騒動が落ち着いたとしても、以前よりかなりの人が出勤せずに自宅で仕事をするようになるであろう。
さらに、遠出はしないようにする習慣がついた1年でもある。

このアフターコロナで今まで以上に自宅からの徒歩圏内の飲食店に注意を向けるようになった。
さらに、テイクアウト、デリバリー、出前のニーズも格段に上がっている。

このことから考えても、近所の顧客をターゲットとしたアプローチとしては、チラシが有効なことは想像がつく。

これまで以上にこの原始的な紙媒体は注目すべきだ。

個性を出せる紙媒体

ネット上の広告ではできないがチラシではできることがある。


SNSなどの広告は、決められたテンプレートにテキストと画像、動画を組み込み発信内容が決まる。

しかし、紙媒体は違う。

紙のサイズ、質感、手書きしたものを印刷することも可能で、お店の好みで風合いを出すこともできる。
ポスティング業者の中には、手ぬぐいや団扇なんかも投函することに対応してくれところもあるぐらいだ。

相変わらずの障害

ポスティングの大敵として、マンション、アパートの「チラシ投函禁止」というものがある。
特に近年は、オートロックのマンションも多く、あまり配布できないのが現状だ。
 
もう一点は、思い立ってからチラシが配布されるまで時間を要する点だ。

チラシのデザインを作成し、印刷を依頼して、完成したものをポスティング業社に発送。
そこから、配布スタッフに届けられて、ようやくポスティングが開始される。

それでも、数の多すぎるネット広告とめったに入ってないチラシ、どちらが効果が期待できるかを考えてみてもいい。

画像1

昔に逆戻りする広告

便利がもっと便利を要求し、どんどん発展していったSNS。
でも、今はごく自然な流れからの来店の方が時代にあっているのかもしれない。

毎日通ってる商店街、シャッター閉まったままのお店が多いかもしれないが、そこで夜、光っているお店。
いつもなんのお店なんだろうと思って通り過ぎている。
家に帰ったら、ポストにチラシが入っている。
あのお店か、あの角の。
美味しそうなメニュー、値段も大して高くない。

今度寄ってみようかな。

シンプルでいいのかもしれない。

インスタの広告費用との比較

チラシを配布する枚数=インスタに広告が表示される回数
として比較してみる。

チラシのポスティング
1枚あたり7円 (印刷代+配布料金を含む)

インスタ
1リーチあたり1円
(0.5円程度の場合もあるが、投稿内容を吟味する手間を考えて1円で比較)

確かに、チラシのポスティングはコスパが悪く、7倍の経費がかかってしまう。
しかし、この広告による来客数が7倍以上になれば、コスパとしてもトントンの計算になる。

実際、僕がコンサルタントした目黒区のお店でこんな結果が出た。

テイクアウト専門店での事例だが、

1ヶ月に30,000円をインスタに投資して、その月の来客数は、2%アップ。

ポスティングで4,000枚ちょっとを配布して、その月は2月で営業日数も少ないのに来客数は25%アップした。

来客数の伸び率は、実に12倍以上となる。

全てのお客様に来店のきっかけをヒアリングしたわけではなく、効果測定はどうしても曖昧になってしまう。
でもその後、ポスティングを定期的に続け順調に業績を伸ばしていっていることを考えると効果は明らかにあると判断できる。

そのお店の業態やターゲットによって結果は当然変わってくるが、一度はポスティングは試すべきだ。

今この時代ならば、間引いた客席や営業時間の短縮でスタッフが過剰になっており、もてあましているお店も多いことだろう。

近隣だけでいいので、手の空いたスタッフにチラシを配布してもらえば、チラシ代だけで効果のある広告を打つことができる。

チラシ代は、A4 単色印刷で1枚3円から。

飲食店の広告戦略のご相談


いいなと思ったら応援しよう!

太田とよしき🎈飲食店経営コンサルタント
飲食業は最高に幸せなしごと。