魂(たま)散歩15歩目。自己憐憫と自己承認に振り回された書生の物語。
今回は、ご相談者のカナリア様から「お仕事面」についての影響を、過去世から視て欲しいというご依頼でした。
では、のんびりとお付き合いくださいね。
●カナリア様のお仕事面に現在一番影響を与えている過去世について
100年くらい前の日本の方です。
男性で、文学などに親しみ、物書きのようなことをされていたと話されています。
そこから、便宜上「書生」さんとお呼びすることにいたしましょう。
書生さんは日本の北の方の(東北とかでしょうか)お生まれで、割と裕福なご家庭に育ったそうです。
幼い頃より、利発的で割と社交的な性格だったため、周囲の方に良くフォローしてもらい、そのことをとても感謝しながら過ごしていた、と話されています。
高校生の頃か、それを出てさらに上の修学機関に進まれた時でしょうか…思いがけず書生さんの書いた作品が脚光を浴びることとなり、そこから作家としてのワラジも履いていくことになった、と話されています。
書生さんは、その頃くらいから「自分が女性にはとても魅力的に見える」自覚が出てきたそうです。
容姿もそうですが、ご自身の性格なども女性にとっては「どうしても放っておけない、どこか構いたくなる」要素がある、ということに気付いた、と話されています。
様々な女性との関わりを持っていく中で、10代の終わり頃から、お身内や友人など身近な方が亡くなられていく時期があり、そのショックなどから、少しずつ書生さんは「自分の人生において、一番生を感じるのはどの瞬間だろうか」という疑問というか好奇心から、自殺未遂を含めた自傷行為が増えていくようになった、と話されています。
20歳のはじめ頃に服薬を含めた自殺未遂を繰り返したところ、医者から「心身衰弱」の病名をもらい、しばらく静かな場所で療養されていたことがあるそうです。
その際に、母親にはとても迷惑や心配をかけ、また周囲の方々にも「とても良くしてもらった」と話し、そこでの経験や思い出から「自分自身は一般人だと思っていたが、もしかするとそうではない(高貴な身分)のかもしれないと感じた」と話されています。
書生さんはその後、大学のようなところで外国の文学を学ぶために勉学に勤しむ気持ちを固めます。
しかし、一番勉強したかった文学ジャンルの語学部分が基礎知識として足りていなかったため、思うようにそのジャンルでの研究や勉学が進まなかった、と話されています。
ですが、この頃に物書きとして大成したい気持ちが捨てられず「この人は」と思う方に師事を仰ぐも、その方との解釈の違いなのか、はたまた自分のアプローチ方法が良くなかったのか、結局小説家としては中々芽を出すというか、その時期に大きく注目されることはなかった、とおっしゃられています。
また、この時期に様々なトラブルが重なり、ご自身の生活が困窮していくということがあったようです。
そのため、気持ちがとても落ち込んだり、精神的な浮き沈みが激しくなってしまい、懇意にしていた女性の一人と「世の中の苦しみから解放されるため」心中を行っています。
(この時は失敗されています)
1回目の心中未遂後、書生さんの身の上や安否を心配したご家族から、「真面目に、穏やかに、慎みを持って生活する」ことを約束し、経済的な支援と別の方のもとで身を寄せるため、一旦家族とは違う道を選ぶことになった…と話をされています。
ただ、その後も中々思うように筆が進まず、大病を患ったことを機にある鎮痛剤の効果に過剰に頼るようになってしまったり、大切な方との別れや体調を崩し入退院を繰り返すなど、不安定な時期が続き、心身ともにボロボロになっていったそうです。
その後、周囲の方々に支えられて、良いご縁もあり、2度目の結婚をします。
そこから、子宝にも恵まれ、執筆作業なども落ち着いて行えていたため、割と良い作品が生み出せた、と話されています。
そして、その頃に大きな戦争が原因で、疎遠になっていた実家と一時的に家族で身を寄せることで、少しだけ空いていた時間を埋めることが出来たそうです。
戦争が終わり、それぞれが日常に戻り始めた頃、書生さんも再度ご自分の生活を立て直すため、ご家族とご実家から離れ、新しい生活を始めるようになられたそうです。
そこから程なくして、執筆作業に集中するために家族を離れ、お世話になった人たちの元で作品の執筆に熱心に取り組んだそうです。
ただ、その時期から「この作品を書き上げたら、自分が楽になれるのだろうか」「いつまでこの仕事を続けなければいけないのだろうか」という、絶望のような気持ちに襲われることが多くなった、と話されています。
そして、その後に書生さんはご自分の思いを詰め込んだ作品の完成と共に「もうここで終わりにしよう」と、最後まで支えてくれた方(奥様ではありません)と共に自死されていらっしゃいます。
…というのが、カナリア様のお仕事面で現在一番影響を与えている過去世となっておりました。
沢山の人に支えられ、傷つけ、そして自分自身も同じくらい傷つける…
そんな中で見つけた、彼なりの「結論」は自らの生を終わらすことしかなかったのでしょうか…
人は誰しも、自分も含めて誰かに「認めて欲しい」という「承認欲求」を持っています。
それを上手く表現していくことが出来なかったからなのか、出来すぎてしまったからなのか…なんとも複雑な気持ちになる過去世となっておりました。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
とよみ。
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