魂(たま)散歩12歩目。運命に翻弄された人形のような「生き神」の物語。
来てくださってありがとうございます。
前回から大分空いてしまいましたが…
今回もノンビリとお付き合いくださいね。
●M様に現在一番影響を与えている過去世について
1000~1400年近く前の乾いた地域に住んでいた方が見えます。
レバノンみたいな感じの文字が浮かぶので、恐らくそういった中近東の辺りの地域かと思います。
M様の過去世の方は女性ですね。
その方は、宗教家…の方を影で支えていたようなお仕事をされていたようです。
便宜上、お呼びするお名前はそうですね…「ヒジャブ」さんとお呼びいたしましょう。
イスラム圏で女性を守るために身にまとう布や服のようなものですね。
ヒジャブさんは、元々小さな農村の生まれだったそうです。
その際に、ちょっと不思議な力があったのか、人の考えていることやその解決策が「なんとなくわかる」という特徴があったそうです。
そのため、幼い頃は気味悪がられたり、遠巻きに見られたりしていましたが、年齢を重ねていくごとに徐々にヒジャブさんに相談しに来る方が増え、10歳になる頃には、ちょっとした「隠れた生き神様」のような扱いになっていたそうです。
小さな農村ですので、そんなに大勢が詰めかける、ということはなかったのですが…
12歳か13歳頃に、ある宗教家の男性が尋ねてきます。
20歳ほど年上の男性で、初めて出会った印象は「優しい話し方をする男性だった」と話されています。
宗教家の男性は「あなた方はこんなところで小さくまとまっていては行けない。もっと大勢の方を救う指名があるはずだ」とヒジャブさんのご家族を含め何日も説得を繰り返していたそうです。
そして、ヒジャブさんとともに旅を続けるのであれば、夫婦になることを条件にヒジャブさんのご家族から了承を得て、家族とともに様々な場所をめぐるアテのない旅に出られたそうです。
旅を出る前に、農村の方で結婚式をあげたそうですが、宗教家の男性からは
「あなたの力は特別で、子ども特有の無垢さから授けられているものであるため、子どもを作るようなことをしてはいけない」
と言われ、形だけの夫婦という状態となったと話されています。
その後、10年ほどかけてある程度大きな都市をめぐり、そこで出会った人々に宗教家の男性が演説し、実際の人々の悩みについてはヒジャブさんが対応する…というような感じで活動されていたようです。
その間でも、ヒジャブさんは「表向きは夫婦」としながらも、一度も女性として宗教家の男性から求められたことはなく、ただ形ばかりの夫と周囲から求められる「無垢な魂を持つ、神の声を届ける女性」としての姿を違和感を抱きながらも保ち続けることに専念していた、と話されています。
夜は宗教家の男性から「あなたの安全と、自分の理性を保つために」という理由で寝室は別々だったし、夫であるはずなのに、毎夜どこかに出かけていかれていたため、何をしているのか本当によくわからないことだらけだったそうです。
その後も、宗教家の男性が病気で動けなくなるまで、ただ、男性の言うままに旅を続け、促されるままに人々の悩みを聞き続ける…ということを繰り返していた、と話しています。
男性が亡くなった時、ヒジャブさんのご家族は一緒に旅をしていた方は亡くなったり、旅の途中に立ち寄った先に住み着くことを選んだりしていたため、気付けばヒジャブさんと宗教家の男性のお世話をしていた人が二人ほど残っているだけとなっていたそうです。
その後、大きな移動は出来なくなったけれど、ヒジャブさん達のお世話をしていた方が「人々の悩みを聞き続ける活動だけは続けた方が良い」と進めてくれて、宗教家の男性が亡くなった場所から少し離れた街で、10年ほど活動を続けられた、と話しています。
続けられなくなった理由としては、お世話をしてくれていた方に嫉妬したり、愛憎の感情を覚えてしまったから、だと話されています。
実際には、その感情が理由になっていたのかは真実は未だにわからないそうですが、その感情を覚えてから、少しずつ人々の悩みに対して「この人は本当にそう思っているのだろうか。腹の底ではそうではないのはないか」などの疑いの気持ちが出てきたために、真っ直ぐに人々に向き合っていくのが辛くなってきたから、だとおっしゃっていました。
人々の悩みを聞かなくなってからは「神様に再度愛されるため」と称した修行のようなことを繰り返されています。
最終的に「神様に許されるまで食事を取らない」という選択をし、断食を続けたことが原因となり、即身仏のような状態で亡くなられています。
…というのが、M様に現在、一番影響を与えている過去世となっておりました。
「神様」で在り続けることを望まれた女性と、
彼女が「神様」で在ることを望み続けた周囲…。
スピリチュアルな世界にいると、その「神様」になりたいと焦がれる方々を時々見かけたりもいたします。
そして、気付けば自身が望む望まないに関わらず「神様」となっている方々も見かけたりもいたします。
私は「神様」には到底なりようもないので、どちらかというと傍観者的な感じでありますが…
どのような在り方が良いもので、どのような在り方が良くないものなのか…そういったことを考えさせられる過去世となっておりました。
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