「パワポ芸人」がサントリーを退職して、ビジュアルコミュニケ―ションの会社を作りました
こんにちは。「パワポ芸人」として色々な活動をしている、トヨマネと申します。
「くだらないけど、ためになる」をモットーに、日々しょうもないパワポ作品をTwitterに投稿したり、
各所で講演させていただいたり、
スライドやコンテンツを作ったり、
動画に出たり、
連載したり、
出版したりしています。
ちなみに「トヨマネ」は何かのマネージャーという意味ではなく、「豊間根」という苗字です。
さて、そんな僕ですが、このたび2022年1月31日をもってサントリーを退職し、会社を作ることにしました。
名前は「Cataca(カタカ)」です。
由来は、その名の通り”型化”。効率的で誰でも使える思考のアウトプット手法を確立することで、企業・個人のビジュアルコミュニケ―ションを加速させたいという思いを込めています。
KatakaじゃなくてCatacaなのは、カッコつけです。(あとSEO意識)
このnoteでは、なぜ僕が「パワポ芸人」になったか、なぜサントリーを退職し起業するに至ったか、そしてこれから何をするのか、を綴っていこうと思います。
2022/10/14追記:会社名を変更しました
上記のように意気込んでいたのですが、「シリョサク!」という名義でセミナーや制作などのサービスを展開していく中で、会社名もサービス名に合わせる形で「シリョサク株式会社」に変更しました。創業から8か月で商号変更…
シリョサクのHPはこちらです。
シリョサクの名前の由来は、読んで字の如く「伝わる資料がサクッと作れる」という価値を企業・個人に提供していきたいという思いからです。以下、当時の思いが綴られますがご笑覧ください。(アツさは今も変わっておりません)
「パワポ芸人」が生まれた経緯
「パワポ芸人」として活動していると、こういう質問をよくいただきます。
「トヨマネさんは、なぜパワポ芸人になったんですか?」
客観的に考えると、確かになんでコイツはよりにもよってPowerPointなんていうものに精を出しているんだ、しかもなんで芸人でもないのに芸人を名乗っているんだ、と気になるのは至極もっともです。
実は、僕はパワポ芸人になろうとしてパワポ芸人になったわけではありません。
長くなりますが、せっかくなので最初から書かせてください。さかのぼること20余年。東京の西の方で生まれた僕は、クラスのみんなの前に立ったり、冗談を言って友達を笑わせるのが好きなこどもでした。
高校での経験も、僕の人格形成に大きな影響を与えました。僕の母校、都立国立高校は文化祭に非常に力を入れている学校で、特に3年生は受験勉強そっちのけで毎日準備に勤しみます。僕はクラス演劇の監督を務め、みごと最優秀賞を獲ることができました。テルマエ・ロマエをパロった「トヨマネ・ロマエ」という宣伝動画が大反響を得たりもしました。
大学では体育会のボート部で毎日汗を流しつつ、都市工学科という建築と土木のあいのこのような学科で模型を作ったりマスタープランを考えたりしていました。時おり課される課題のプレゼンでは、笑いをとらなくていい真面目な場で教授をクスっと言わせることに腐心していました。
振り返って考えると、僕が幼少期から変わらず持ち続けている一本の強い軸は、「わかりやすくおもしろいコンテンツを作って、誰かに楽しんでもらいたい」という思いでした。
そんなこともあって、就活では最初テレビ局に行きたいと強く思っていました。しかし就活の壁は厚く、汐留やら六本木やらの局に普通にポロっと落ちてしまいます。
そこで、「おもしろいって、funじゃなくてinterestingのおもしろさもあるな」と思い直し、商品を作ったり売ったりするおもしろさ、ビジネスの仕組みを作る・回すおもしろさに目を向けて、視野を広げて会社を探し始めました。そんな中で、「やってみなはれ」と「水と生きる」という二つの言葉と、社員の方の人柄の良さに惹かれて受けたのがサントリーでした。
…うっかりガッツリ自分語りをしてしまいましたが、ここで話は少し飛びます。僕は、高校生の頃からTwitterがライフワークでした。普通、高校生のするツイートと言えばやれ「お腹減った」だの「○○のライブ良かった」だの「マジテスト死んだ」だのと、日常をそのまま切り取っていてしかるべきですが、僕はちょっと違いました。僕は、常に「いかに友達を笑わせていいねを押してもらうか」を考えてツイートをしていました。
そのライフワークは社会人になってもずっと続けていたのですが、ある時「テキストでは限界があるな」と悟り、画像を作りたいと思い始めます。本当はAdobeのイラレがよかったのですが、いかんせんサブスクがまあまあ高いので、手近にあったパワポでコンテンツを作り始めました。
最初は鳴かず飛ばすだったのですが、コロナで暇になってパワポ作りが加速し始めてから3ヶ月くらい経った2020年の夏、「多摩」と「桃太郎」が突然バズり、一気に多くの方にフォローいただくことになりました。
そこからパワポ芸人を名乗るようになり、おかげさまであれよあれよという間に直近Twitterでは8万人の方にフォローいただき、様々なご縁があり今に至るというわけです。
なぜサントリーを退職し、起業するのか
次に、本題である退職と起業についてです。
僕がサントリーでどんなことをやっていたかは、こちらの動画で話しています。ちなみに、新卒の時にサントリーなのに酒でも飲料でもなく健康食品の事業会社に配属されています。
まず最初に述べておきたいのですが、大前提としてサントリーはめちゃくちゃいい会社です。僕はサントリーを離れますが、サントリーの商品は今後も飲み続けますし、知人友人で就活・転職に悩んでいる人がいたら、まずサントリーを勧めると思います。
サントリーの一番の魅力は、なんといっても「人」です。サントリアン(そういう社内用語があります)には、ほんとうに爽やかで、誠実で、気持ちのいい人間が多いです。一般的に人事部には人当りのいい人を配属すると言いますが、サントリーではそんなことはありませんでした。選考時に感じていた好印象は、入社しても一切のギャップもなく今の今まで続いています。
また、本当にみんな会社と商品のことが好きです。僕自身、本当にいい会社だと心から思っていますし、プレモルもボスも伊右衛門も角も全部好きです。まあ僕はお酒が飲めないので実際に飲むのはソフトドリンクのみですが。
ちなみに僕は特にクラフトボスがめっぽう好きで、意味もなくコレクションしたこともあります。
僕のパワポ芸人としてのロジカルシンキングやデザインのスキルも、サントリーで働く中で、上司や先輩方に指導いただいたからこそ得られたものです。
また、パワポ芸人として一種の副業をしていた僕に対して、嫌味なことを言う人が誰もおらず、皆さん一様に「トヨマネ、おもしろいことやってんね!」と言ってくださるところにも、サントリアンの魅力が現れていると思っています。
サントリーに入っていなければ、今の僕は絶対にありません。サントリーの皆さん、そしてお世話になった取引先の皆さんには、心から感謝しています。
…そんな感じで、とにかくいい会社なのです。
では、なぜそのサントリーを辞めるのか。それは、パワポ芸人としての活動がおもしろくなりすぎたからです。
僕は片付けコンサルタントこんまりさんの「ときめき」という考え方が好きです。部屋にあるモノを、触った瞬間に「ときめき」を感じるか考える。感じれば残すし、感じなかったら捨てる。それだけのシンプルな考え方です。
そして、僕にとってパワポ芸人という「わかりやすくおもしろいコンテンツを作って、誰かに楽しんでもらう」活動が、あまりにもときめいてしまったのです。
(サントリーがときめかないわけではありません、相対的な問題です)
手垢のついた言葉ですが、人生は一回です。平均年齢で80年ちょいという限られた時間を、ときめきで埋めたいなと思ったので、この意思決定をしました。
とりあえず食っていくことはできそうなので、後はどれだけこのときめきを自分のがんばりで増幅させることができるか、だと思っています。
これから何をするのか
そんなこんなで親に猛反対されながらサントリーを辞めてしまった僕は、会社を作りました。先述のとおり、Catacaという会社です。
パワポ芸人という活動をしている中で、一つ気付いたことがありました。それは、「自分が伝えたことによって誰かがわかりやすいものを作れるようになるのも楽しいな」ということです。
自分の考えていることをわかりやすく誰かに伝えるというのは、誰がやっても難しいものです。実際、多くの人が日々パソコンの前で資料作成に頭を悩ませています。何十年先でも、どれだけ技術が発達しても、ここの本質はずっと難しい営みであり続けるのではないでしょうか。
Catacaは、ビジネスパーソンにとって最も身近なビジュアライゼーションツールであるPowerPointを使って、スライド作成の「型化」によってこの課題を解決します。というか、解決できる会社にしていきます。
開発しているサービスの提案資料をチラ見せすると、こんな感じです。
端的に言うと、「スライドを”作る”から”型を選ぶ”へと思考のプロセスをガラッとシフトしますよ」「そのために、2種類のテンプレートとセミナーを使いますよ」というサービスです。
もし興味があるよ、という方がいらっしゃいましたら、ぜひtoyomane@shiryosaku.co.jpまでご一報ください。パワポ芸人が渾身の気合を込めて作成した、まじめな提案資料をお送りします。
※大変恐れ入りますが、現在企業向けのみのサービスとしています。個人の方向けのサービスも鋭意開発中ですのでお時間ください…
パワポ芸人の、その先
Catacaという会社は、まずPowerPoint、ひいてはスライドというツールを使って、「伝える」をより多くの人の武器にしていきます。それは、僕が「パワポ芸人」として活動してきたことに多分に関係しています。
しかし、PowerPointはあくまでもただの道具に過ぎません。やり方を確立して「伝える」を一歩先に進めるという価値の本質は、もっと多くの形に展開しうると考えています。
デザインに関する悩みがなんでも解決するプラットフォームを作れるのか、「伝える」のプロ集団を発足できるのか、あるいはネタコンテンツを真顔で量産するやばい集団になれるのか…それが何なのか、まだ起業家のひよっ子中のひよっ子である僕には全然見えていませんが、いつかTwitterのアカウント名から「パワポ芸人」を外す必要が出てくる日が来ることを、なんとなく遠くに睨んでいます。
いろいろと偉そうなことを書きましたが、実はまだ登記も完了していないガチのひよっ子社長です。
Catacaのサービスにちょっとでも興味がある方、サービス関係なくセミナーや制作の相談がある方、その他なんとなく連絡したい方、ぜひぜひinquiry@shiryosaku.co.jpまでご連絡ください。もちろんTwitterやInstagramのDMでもOKです。
その他SNSのリンク集はこちら。よろしければフォローいただけるとうれしいです。
気合入れて行きます。よろしくお願いいたします。