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凝り固まった生き様

 以前、「若草物語」の主人公、町田涼(堀田真由)が「アイのない恋人たち」の主人公、久米真和(福士蒼汰)と似ていると記した。では何故そう考えるのか? それは2人に共通点があるということである。
 まずは脚本家という職業。真和は連ドラを任されているが、なかなか芽が出ない。涼は学生時代に書いた演劇が評価されて以来、自らの才能を過信しているなんちゃって脚本家である。それだから、いい作品が生まれてこない。
 次は、母親。真和の母親は、彼が中学生の頃に男と駆け落ちしたが、印刷工場を営む父親は、母親が戻ってくれると信じて疑わない。涼の母親は、何度も再婚や離婚を繰り返す恋愛体質。タイプは異なるが、母親のせいで恋愛に対しての悪い固定概念をそれぞれ植え付けられているように思う。
 そして、最後は恋愛に対する向き合い方。真和は、マッチングアプリで相手を見つけては3回くらいしか会わずにポイと捨ててしまう。涼は母親の恋愛体質で寂しさを噛み締めて、恋愛も結婚もせず姉妹だけで生きていくと決めている。
 しかし、真和はその価値観を改めて、一つの恋に向き合った。涼もいつしか恋愛から逃げずに男女の友情止まりの律(一ノ瀬颯)と向き合ってもらうしかない。その鍵を握るのは未だ行方知れずの三女の衿(長濱ねる)だろう。真和のように涼も凝り固まった生き方を改めて貰うしかあるまい。

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