名曲に寄せる物語
「366日」は、HYが残した名曲。2008年12月から翌年の2月に放送されたドラマ「赤い糸」(フジテレビ)の主題歌として作られた。
このドラマはネット小説を原作とし、南沢奈央と溝端淳平が主演した。高校生達のすれ違い、傷つきながら貫かれる純愛にこの曲はぴったりマッチした。
それから15年後、そのタイトルのドラマが同じフジテレビの月9で作られた。主演は広瀬アリス。過去に月9に出たことはあるが、主演は初めてである。
物語は2028年から。主人公の雪平明日香が桜並木に佇みながら過去の思い出を振り返るという設定からドラマは始まる。高校時代、吹奏楽部に所属していた明日香は、野球部に所属した水野遥斗(眞栄田郷敦)を高校野球の県予選で応援していた。それは甘酸っぱくて切ない青春時代の思い出だった。
そして12年後、明日香は同じ吹奏楽部に所属し、今は介護施設で働く下田莉子(長濱ねる)と再会。そこで、明日香は龍ヶ崎高校が廃校になりそれに合わせて同窓会が行われることを知る。その際遥斗が来られないことを莉子から聞くが、「別に」とそっけない態度をとる。
同窓会当日、明日香は懐かしい街並みを辿りつつ高校の同窓会へ。思い出話に花が咲く中、明日香は服にスカートをこぼしてしまう。水場にシミをとりに行った明日香はそこで遥斗と再会する。そして、仲間たちと共に昔話に花を咲かせる二人だが、何もないままその場を離れた。
その後、遥斗のSNSにメッセージを託す明日香だが、返信はなかった。やがて、明日香と遥斗は小劇場の舞台で再会する。舞台が終わると2人は遥斗の紹介でレストランへ。
帰り道、明日香は遥斗に卒業式に思いの丈をぶつける。あの日、明日香は遥斗の花束を見て誤解していたが、実は同じ野球部の同期から預かったものだったことがわかる。実は遥斗も同じ想いだったのだ。やはり同じだったんだと、明日香と遥斗はそう思った。10年間の空白を埋めるかの如く、付き合い始めた明日香と遥斗。だが、運命の歯車は2人を狂わせる。遥斗が事故に遭ってしまったのだ。
TBSで名作を生み出した平川雄一朗の演出(今年はテレビ朝日で、
道枝駿佑主演の「マルス ゼロの革命」を手がけた)だけにハズレはないと信じる。その先が見たくなる作品にこの春も出会えた。
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