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指令管制員という仕事
私ごとで恐縮だが、年明けに母がベッドから転げ落ち、動けなくなった。慌てふためいた私は、119番に通報した。その際に応対した指令管制員の声にホッとした記憶がある。
そんな話をしたのは13日にスタートした月9ドラマの「119エマージェンシーコール」に関係しているからだ。主人公の粕原雪(清野菜名)は、銀行員から横浜市消防局に転職した。現場勤務を経て指令管制員になった。しかし、119番に通報してくる人の中には、いたずら電話や罵詈雑言を言い放つ人も少なくない。教育係の兼下睦夫(瀬戸康史)から厳しい指導を受けることもしばしばだ。しかし、雪には一度聞いた音や声を忘れないという能力を持っている。それを買っているのは司令課3係の係長、高千穂一葉(中村ゆり)である。
だが、指令管制員は消防や救急に対するいわば繋ぎ的な存在だ。そんな状況に納得しないのかは分からないが、雪は現場に出向いて通報者の声と音に耳を傾ける。しかし、一つ一つの通報に耳を傾けるあまり時間をかけてしまうことも難点になっている。更に現場に足を踏み入れたことにより、現場の人間からの話を聞いた兼下からたしなめられることもしばしばだ。
だが、彼女には強い意志がある。それは幼い頃に家が火事になり、慌てふためいた様子で119番にかけた。その際に応対した堂島信一(佐藤浩市)の優しい声に励まされた経験からだ。そして銀行勤務の5年前に防犯イベントで堂島と再会したことがきっかけとなり消防局に転職したのだった。指令管制員は人の命を繋ぐ仕事であることを訴える雪。その熱意が現場にどう伝わるかは定かではないが、そうした熱意を持った指令管制員が育まれることを願いたい。