ビタミンEとユビキノールの相互作用
栄養学と生化学が大好きな豊田浩史です。
普段はパーソナルトレーナーやサプリメント開発に携わっています。
今回は「ビタミンEとユビキノールの相互作用」について解説していきます。
このnoteを読んでいる方は毎日ビタミンEとユビキノールを当たり前のように摂取していることと思います。
筆者は21歳という若輩者ということでユビキノールは摂取していませんが、、、。
ユビキノール(還元型CoQ10)は抗酸化物質として知らない人はいないでしょう。
ユビキノールのペルオキシラジカル(活性酸素の一種)の対する反応性はα-トコフェロールをしのぎます。
しかし、ユビキノールは速やかに自動酸化されて、ヒドロキシラジカルや過酸化水素、スーパーオキサイドなどを発生させます。そのためユビキノール単独での抗酸化活性はビタミンEに比べて小さいものになります。(※1)
一方ユビキノールはビタミンEラジカルを還元して、ビタミンEに戻す作用があります。
ビタミンCにもビタミンEラジカルを還元する作用がありますが、同程度の濃度条件下ではユビキノールの方が速やかに還元してくれます。
ビタミンEとユビキノールとの共存下ではLDLの酸化反応に対して優れた作用があることが報告されています。(※2)
しかし、血漿中のユビキノール濃度はビタミンCと比較して数十分の一と低く、酸化型から還元型にされないと効果が低下します。
このようなことからCoQ10は還元型を買うのが良いでしょう。
参考文献
(※1)Niki E. Mechanisms and dynamics of antioxidant action of ubiquinol. Mol Aspects Med. 1997;18 Suppl:S63-70. doi: 10.1016/s0098-2997(97)00035-6. PMID: 9266507.
(※2)Thomas SR, Neuzil J, Stocker R. Inhibition of LDL oxidation by ubiquinol-10. A protective mechanism for coenzyme Q in atherogenesis? Mol Aspects Med. 1997;18 Suppl:S85-103. doi: 10.1016/s0098-2997(97)00031-9. PMID: 9266510.