定年起業に大切なのは「価値軸」
以下の記事の趣旨をまとめてみます。
◎定年起業が増えている。
◎資格取得すれは起業できると思っている人が多い。FPなどの資格は、定年後の人が多くとっている。
◎大切なのは、資格ではなく顧客。定年までに顧客を獲得できているか。
◎顧客作りのための人脈作りも、勘違いしている人が多い。ビジネス交流会に出て名刺を配れば、人脈=顧客予備軍が獲得できるわけではない。
◎起業に余計なお金をかける人もいるが、間違いのもと。
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO31387410V00C18A6000000?channel=DF280120166581
これらの指摘は、まさにその通りだと思います。そのような勘違いをして、失敗してしまう人は多いようです。
しかし、その前に。
この資格を取って起業しよう、と考える前に。まず、自身がこれまで何を大切にしていて、あるいは何を大切にしようと思いながら大切にしてきていなくて、これからは、何を大切にしていくのか、という本人の「価値軸」をしっかりと見定めることが大切です。
「もっと人の役に立つことをしていきたい」
「人を育てることが自分の喜びだった。これからもそうしたことに携わりたい」
「これまでは、家族との時間を大切にしてこなかった。定年を機に、改めたい」
「昔からの夢を、ぜひとも実現したい」
などなど、ひとり一人の中には、さまざまな想いがあります。いや、ここに書いたような大雑把な想いでは、それはないでしょう。40年働いてきた一人ひとりの固有なキャリアストーリーがあり、その想いはまさに十人十色です。その固有な想いこそが、それぞれの「価値軸」。その価値軸に沿った、その想いを実現できる選択をすることが大切です。この話は、起業に限ることではもちろんありません。定年後、再雇用終了後に働き続けるすべてのケースに当てはまるものです。
ややもすると、「これまでの仕事領域」「これまでの経験で培ってきた知識や技術」という狭い文脈から定年後の働き方を決めてしまいがちです。これまでに定年を迎えた多くの人も、実際はそうした決断をしています。しかし、人生100年時代を迎えつつある今、私たちが働く時間は長くなります。65歳になったら年金をもらてリタイヤする、という人は少数派になります。
つまり。定年後の時間をこれまでの仕事人生の延長上で捉える考え方から脱することが求められます。同じサイクルの延長上ではなく、新たなサイクルへと移行していくことが求められます。
そうした時に、問われるのが「価値軸」なのです。