政治家の働き方改革をするということですよね?
国家公務員の残業時間に上限を設けるという案が、提示されました。実質的には、月60時間の上限時間になります。
抜本的な改革をしないと、こんな数字は実現できるわけがありません。膨大な隠れサービス残業が生まれるだけです。
とはいえ、こうやって打ち出した以上、是非とも抜本的な改革を成し遂げてほしいもの。そして、その時に、最も大きな改革を迫られるのは、公務員の働き方ではなく、政治家の仕事の進め方であり、大きく変わらなくてはならないのは、政治家に問われる資質や能力です。
キャリア官僚に代表される政策立案に携わる官僚の仕事は、政治家によって規定されます。国会の会期中のキャリア官僚の仕事には、凄まじい時間的制約が加わります。民間企業の仕事と比較すると、キャリア官僚の仕事の裁量は決して高くはありません。自身で労働時間をコントルールできる余地は、決して広くはありません。となると、仕事をアサインする人間が、その官僚自身の状況やキャパシティを考慮して、その仕事量や納期を適正に定めることが必要になります。キャリア官僚にとっては、それは、自身の職場の上司というよりは、じっしつてきには政治家になるわけです。
民間企業においては、それは顧客にあたるものでしょう。顧客の要望を実現するために、残業が膨れ上がって行くという業種業態は確かにあります。
しかし、民間企業には、人員を増やしたり、顧客の要望に応えるのを諦め、売上や利益の悪化を甘んじて受け入れるという選択肢があります。
官僚には、いずれの選択もできません。
となれば、変わらなくてはならないのは、政治家です。
政治家の皆さん。あなたは、変われますか?
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32820900Q8A710C1MM8000/