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第5回 食塩摂取量の推移と変わってきたこと ~PDCAサイクルで読み解く~

第5回では、基準値が設けられたことによって日本人の食生活に変化はあったの?基準(中間目標)に変化はあった?最近の動きは?
について考察していこうと思います。


食塩摂取量の基準値は年々引き下げられている

アクションプラン(Plan)

日本人の健康推進のための指針に「~健康日本21~」というものがあります。これは、「国民健康づくり」という基本方針の中にある、アクションプランになっています。
「健康日本21」として食生活に目を向けられてきたのが、
・平成12年~ 第3次国民健康づくり~健康日本21~
・平成25年~ 第4次国民健康づくり~健康日本21(第二次)~
そして
令和6年~  第5次国民健康づくり~健康日本21(第三次)~
であり、
野菜や果物、食塩摂取量など、健康増進法に基づいて、
計画(Plan)が組まれています。
この~健康日本21(第三次)~は令和17年までを計画期間としています。

食事摂取基準(Do)

実施するには、具体的な目標が必要ですよね。
この~健康日本21(第三次)~の食塩摂取の目標値は、男女ともに1日当たり7.0 g未満となされました。

「食事摂取基準(2020年版)」における目標値
成人男性7.5 g未満、女性6.5 g未満
をほぼ踏襲する形になっています。

前身の~健康日本21(第二次)~の目標は8 g未満なので、習慣的な摂取量を考慮して段階的に減塩を促している様子(Do)がうかがえます。

「国民健康・栄養調査」の結果(Check)

では、国民の食生活は改善しているのでしょうか?

結論としては
「現時点で目標値に達していないが、改善傾向にある」ことを
~健康日本21(第二次)~で述べられています。

国民健康・栄養調査による食塩摂取量は、
1995年(平成7年) 13.2 g
2010年(平成22年)  10.6 g
2015年(平成27年) 9.7 g
2019年(令和元年)  10.1 g
と、健闘しているものの近年横ばいが続いています。

どのような食事が食塩の過剰摂取につながっているのか?(Check2)

食塩摂取量の推移について、何の食品が原因になっているか気になりますね。

食塩摂取源となっている食品のランキングを見てみると、カップめんやインスタントラーメンといった「即席めん」が1位となっていました。
漬物や塩漬けの魚などの伝統食品も上位にランクインしているようです。
日本高血圧学会のデータでも、醤油、味噌汁、魚卵の加工品などが食塩摂取のもとになっているようです。
うーん、ごはんのお供が上位なのは日本人にとってなんとも悩ましい。。。

どう行動・対応していくか?(Act)

先述した「即席めん」業界は一歩先の動きを開始しています。
これらの記事を読まれる方はすでにご存じかもしれませんが、
インスタントラーメンの塩分は、「食品表示基準」および「即席めんの表示に関する公正競争規約」によって「めん、かやく」と「スープ」に分けて表記されています。(令和4年9月12日 施行規則変更)
もし塩分量やのどの渇きが気になる場合は、スープを飲む量を控えめにすることで摂取量を調節することができるかもしれません。
この一端をみても国民が塩分摂取量を意識するよう、世の中は動いているんですね。

食塩摂取量を増やさないために

これらPDCAで読み解くと、時の流れとともに達成度と次の目標が組まれ、
サイクルが回っていることを感じることができます。
「健康日本21」は厚生労働省がつくった、国民の健康増進のための取り組みですが、行動(Act)はそれぞれが意識して実践していくことが必要になります。

(著者が想像する)健康日本21の方向性

ただ、実際の摂取量(国民健康・栄養調査による食塩摂取量)は横ばいのところまできています。この結果は、日本人の食習慣からさらに食塩を低減させることは難しい、ともいえます。
厚生労働省は、「健康日本21(第三次)推進のための説明資料」で野菜に加えて果物の摂取量も考慮する必要があると述べています。これは、果物に含まれる食物繊維やカリウムの健康効果に目を向けているためです。

この話は長くなりそうなので、また次回。
「健康寿命のためにできること(仮)」で記事を書いていきます。
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