#10 ゆめちゃんの自分でするもん
今回は爪切りのお話です。
まずはちょっとだけ猫の爪切りの必要性のお話から。
猫の爪も伸びすぎると危険なんだそうです。カーテンやカーペットに引っかけると根元から折れてしまうとか、肉球に刺さって出血したり化膿したりとか。
人間も爪で引っかかれたりすると感染して病気に、最悪の場合は命に関わるのだそう。
双方が安全でいるために爪切りは必要・・・なんですが、それを実践するのはなかなか大変。
参考書を見ながら爪切りやタオル、洗濯ネットを用意しました。爪切りを嫌がる猫もいるというので、まあ念のため、くらいの気持ちで。
本には一人で切る場合と二人で切る場合が載っていました。
私たちは二人いるんだから大丈夫じゃない? なんて思えるくらい、写真の猫は大人しく切られていました。が、これが甘かった💦
ゆめちゃんを弟が抱っこして軽く撫でます。ゴロゴロと嬉しそう。私も撫でながら「ゆめちゃん、爪切りしようね」と話しながらゆめちゃんの手を持ちます。
(※話の都合上、前足を「手」と表記します。ご了承ください)
本にあるように、軽く肉球を押さえて爪を出します。うん、いい感じ。これを深爪にしないよう、先の方だけ切る・・・この辺かな?
バチン!
それまで大人しかったゆめちゃんがびっくりしてバタバタと動き出しました。弟の腕から逃げだそうとしたので、ガッと押さえたのがいけなかったのでしょう。余計必死に逃げだそうと身をよじります。
じっとしていないので、爪を切るどころか手を持つことができません。
「ゆめ、動くな!」
弟が無理矢理体を押さえ、私も手を掴みます。
先の方だけと狙ってハサミの刃を当て、いざ! と思った瞬間に手を動かすので何度も何度も手を止めました。
「ぎゃーーー! 危ないからじっとして! 変なとこ切っちゃったら大怪我するんだから!」
私も必死で叫んでいましたが、そんなことは聞いてはくれず・・・
遂に、私たちの方が息切れして、切るのを諦めました。
本にも、嫌がる猫は1日に2本ずつとか、数回に分けて切ればいいと書いていました。( 2本どころか・・・・・・)
さて翌日、再挑戦ということで。
弟が抱っこしようとするとその前に逃げてしまいました。昨日何があったかよく覚えている様子。
おもちゃで誘って、遊びに夢中になっている隙に抱っこを狙いましたが、手を伸ばすとすぐに察して逃げてしまいます。
流石、野性の勘は侮れない💦
その日は諦め、数日後。
おもちゃでしっかり遊び疲れて、私の膝の上でウトウトし始めた頃、そーっと撫でて撫でて撫でて・・・しっかり撫でた後、ようやく2本。
はあ・・・手の爪が10本、足が8本。この調子で、数日かけて18本の爪を切り終わったら、初めに切った爪が伸びてるよね。人間より伸びるの早いんだもんね。そのまま2周目に突入だね・・・
毎回同じ手が通じるといいんだけど・・・ゆめちゃん賢いから・・・何かいい手はないものか?
などと考えながら、数周回った頃でしょうか。
ゆめちゃんを見ていたある日。
ゆめちゃんが顔を洗っていました。猫の身繕いですね。
手を舐めて顔をゴシゴシしています。
何度も親指から手の甲辺りを舐めて、顔や頭をゴシゴシ。
ん? 肉球も舐めてる? 肉球で身繕いはしないよね?
そのまま眺めていると・・・ガチ、ガチ、と小さく聞こえてきます。
何の音? どこから?
ゆめちゃんの方から聞こえます。
そして、ゆめちゃんの顔に縦皺?
人間のような眉間に縦皺ではなく、鼻筋に縦皺が時々入っているのです。
え、猫って鼻筋に縦皺入るんだと思いながら見ていると、肉球を口につけたまま顔を少し左右に動かしています。
は! わかった!
爪を噛んで短くしてるんだ!
おかしいとは思っていたんです💧
少しずつ爪を切っていて、切ってないはずの爪が少し短くなっていたし。
先の方だけ同じように切ったつもりなのに爪の長さがバラバラだったし。
私が下手だから? と思っていたのですが・・・
自分で切ってたんだねゆめちゃん!
お見事な自主自律の精神・・・・・・
いやいやいや! だからと言って、完全にゆめちゃんに任せて爪切り止めるわけにいかないから!
そして、ゆめちゃんヌキの話し合いの結果、用意することにしました。
ご褒美のおやつを。
あまりおやつばかりあげてしまい、毛玉ケアのカリカリを食べなくなってはいけないので、おやつをちらつかせつつ、一度に18本の爪切りを終わらせるということで。
その分時間がかかるので、心配でした。
実際、何度も手を止め、息切れしながらでしたが、おやつは強し。
大人しくとは言えないまでも、我慢して一度に爪切りを終えることができるようになりました。
最後に自慢したいことを一つ。嫌がって身をよじったり「フーッ」「シャー!」は少し言っていましたが、ゆめちゃんは私たちに決して爪を出して引っ掻いたりはしませんでした! 流石ゆめちゃん賢い!
すみません、親バカで。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
参考書籍:ねこのきもち (株)ベネッセコーポレーション