#21 朔くんとゆめちゃんの違い、そしてゆめちゃんの受難
朔くんをお迎えしてからの約1週間で、いろいろなことがわかってきました。ゆめちゃんと朔くんの違いも見えてきて、驚いたり発見したりの日々です。今回はその辺りから始めたいと思います。
ゆめちゃんは勿論ですが、朔くんもとても賢いです。
すぐに自分の名を覚え、呼ばれるとこちらを向いて返事をしてくれます。
一般的に、猫は大きな音を嫌うけれど朔くんは平気なので、してはいけないことや入ってはいけない場所を教えるために、パンパンと拍手で大きな音を出しても効果はありません。
ゆめちゃんはこの方法が有効でしたが、朔くんには別の方法を考えなくては。
ゆめちゃんは、「The・猫! ハンター!」という感じですが、朔くんはとても大人しく、おっとりしてのんびり屋さんのようです。
ゆめちゃんは子猫の頃から山を駆け巡り、とても素早く、美しい走り。
朔くんはあまり俊敏とは・・・音を文字で表現しようとすると、「ドタドタドタ」という感じでしょうか・・・😅
ジャンプもあまり得意ではないようで、ゆめちゃんが子猫の時に上がれた棚には、朔くんは上がれないようです。
ゆめちゃんが大好きな、猫じゃらしも紐もペットボトルの蓋も興味なし。
ゆめちゃんは段ボール箱も大好きで、届いた荷物を箱から出してその場を離れると、戻ってきたときには既にゆめちゃんは箱の中、なんてこともよくあります。
けれども朔くんは興味なさそう。これで遊んでもいいよ、と抱っこして箱に入れると、「わ゛ー」と鳴きながら出てしまいます。
朔くんはどんな遊びが好きなんだろう・・・?💧
こんなこともありました。
朔くんをお迎えした日、挨拶して頭を撫でましたが、毛は真っ直ぐで太く硬い。頭より体毛の方が更に硬いみたい。
ゆめちゃんの毛はとても細く軟らかいです。猫種の違いか雄雌の違いか、毛だけでもこんなに違うのだなと驚きました。
私が2回目のごはん当番の日、朔くんを呼ぶと返事をし、近寄って来ました。ごはんをくれるとわかったようです。嬉しそうに、キッチンに立っている私の足にスリスリしたのですが。
痛い !!
ふくらはぎに毛が当たったのですが、すごくゴワゴワで痛い😖
私は皮膚が少し弱いようで、ふくらはぎの皮膚は手の平などより薄いし、朔くんの毛が当たると、まるで剣山のように感じました。
逃げると更に近づいてきて、ふくらはぎを舐めました。
もっと痛い !!
猫の下はとてもザラザラしています。それでごはんや水をうまく口に入れるのですが、まさかここまでとは!
これではまるで凶器 💦
喜びを表現していることはわかりますが、ごはんの度にこれではふくらはぎがもちません 💦
急いでジャージを穿きました 💧
それを見ていた弟が、苦笑いしながら教えてくれました。
弟が朔くんと初めて出会い抱っこしたときは、もっと毛はツンツン、ゴワゴワだった。寝るときも同じだけれど、昨夜は少しだけゴワゴワ感が薄れていたようだと。
猫は怒ったり怯えたりすると、尻尾の毛が膨らんだり背中の毛が逆立ったりします。体毛がゴワゴワになったのは、不安や緊張が体に表れていたのかもしれないと思いました。
私たちに慣れて不安がなくなれば、毛は軟らかくなるのかな?
そうだといいな。
弟はもう一つ話してくれました。
初めてウチに来るために弟の車に乗ったときも、「わ゛ーわ゛ー!」と鳴いてキャリーバッグから出たそうです。外側からちゃんとロックした筈なのに!
運転中だったので見ていなくて、どうやって出たのかはナゾ 💧
後部座席で右の窓から左の窓へとバタバタと移動し、外を見ては「わ゛ーわ゛ー!」と、まるでパニック状態のようだったと言うのです。
丁度いいタイミングなので、私が気になっていたことを聞いてみました。
一番初めに朔くんを見つけた方によれば、朔くん一匹だけが敷地内にいて、周りには段ボール箱もなく親猫もいなかったので、迷い猫か捨てられていたのかはっきりしないということでした。
「こんなにも段ボール箱や車を嫌うということは・・・」
「かもな」
やっぱり・・・そうじゃないかなと思ってはいましたが、ほぼ間違いないだろうと思ってしまうと、重くのしかかってきます。
いやいや、重かろうが軽かろうが、朔くんはもうウチのコだから、関係ない! これからだよ!
となると、現状で一番問題なのは、やはりゆめちゃんとの関係です。
ゆめちゃんは初日から数日間、朔くんが同じ部屋にいるときは、タンスの上にいました。ごはんのとき以外はずっと。
その後、少しずつ降りてくるようになりましたが、そこで問題が。
朔くんがゆめちゃんを追いかけるようになったのです。
追いかけっこが好きなのか、ゆめちゃんと仲良くなりたいのかはよくわかりません 💧
ですが朔くんが近づくとゆめちゃんは「フー! シャー!」と威嚇し、走り去ってしまいます。時には猫パンチも繰り出して💧
よほど相性の悪い同士でない限り、1週間ほどで猫同士のルールやコミュニケーションが成立するようになるとありました。
が、1週間を過ぎてもゆめちゃんの「フー! シャー!」が聞こえて来ます・・・
気長に慣れていくのを待つしかないと覚悟を決めようと思っていたのですが、弟は待ちきれなかったようです。
弟も初めは優しく「ダメだぞ、ゆめは嫌がってるだろ」と諭すように言っていたのですが。
ゆめちゃんが大声で「ギャオー!ギャアーー!」と叫んだ日、遂に。
「ダメだと言ってるだろうが!」
弟の斜め後ろから見たので、逆さにして揺さぶっているように見えました。
「何やってんの ?!」
慌てて近寄ると、お尻の辺りを両手で挟むように掴んでいたようです。
「足首とか持って逆さにしたら関節を脱臼するかもしれないから」
と、一応は考えたようですが、それでもダメなものはダメ !!! 💢
すぐ降ろすように言おうとしたその時、
え・・・喜んでる? こんなのでも喜ぶの? まさか、朔くんにとってはこれもスキンシップなの ?! 💦
さすがに弟も驚いてすぐに降ろしましたが、言葉が出ませんでした。
降ろされた朔くんは弟の周りを回ってゴロゴロ言い続けています。
足は何ともないようです(ホッ)
このコはそんなにも寂しかったの? 捨てられたからかお家が決まらず転々としたからか。くっついたり撫でられたりだけじゃなく、こんな触り方でも嬉しくなるほど、今まで辛かったの?
「大丈夫だよ、ずっとここにいていいんだからね」
撫でながら考えていました。もしかしたら、親猫やきょうだいと早くから離れた所為で、遊ぶこともコミュニケーションの取り方もわからないのかな・・・大きな音に無反応なのもその所為? だとすれば、どうやって教えれば・・・
その時弟は。
「ゆめ、頼みがある」ゆめちゃんを足の上に座らせ、人間で言えば肩の辺りを両手でそっと持ち、
「猫道を教えてやってくれ!」
な、なんてことを言い出すんだーーー!!!!
目一杯警戒してるゆめちゃんに! 緊張を強いているゆめちゃんに!
「ギャアッ」て叫んだばかりのゆめちゃんに更にストレスをかけるようなことを!!!!
「人間じゃ猫のルールやコミュニケーションは教えてやれないからさ・・・」
考えていることは私と同じだったのですが、それでどうしてゆめちゃんに😫
猫道って・・・!
ゆめちゃんはダッシュで私の部屋に逃げてしまいました。
また当分の間、弟には近づかないと思います(懲りないね・・・) 😓
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
参考書籍
イラスト図解 室内ねこ くらす&育てる 日東書院
監修 松原ペットクリニック院長 岩富俊樹 著者 たまき みけ
ねこのきもち (株)ベネッセコーポレーション