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ジブリ作品と日本神話①

先日、日本テレビ系列金曜ロードショウにて
宮崎駿監督作品【ハウルの動く城】が
放送されました。
それを観た私は「あれれ?あれれれ?」 
登場するキャラクターに日本神話
(或いは世界神話)に
記されている神々の姿がチラつくのです。


ハウルは勝つための存在

王国に仕える偉大な魔法使い
マダム・サリマンは、
ハウルを後継者として認めていました。
「ようやく跡継ぎに巡り遭えたと…」
マダム・サリマンにとって
最高傑作なわけです。
彼の古代文明にて記された神話
シュメール神話/アッカド神話 
アプスーとティアマトという
神の夫婦がいます。
新しく幼い神々(天孫系との言われる)が
喧しいと、色々な揉め事の末に 
相手を殲滅すべく生み出された
最強の龍 ヴリトラ。
日本の大穴牟遅神/大己貴命
(オオナムチノカミ/オオナムチノミコト)
と同一視されます。
また日本神話の建御名方命
(タケミナカタノミコト)とも
同一視されます。
ナムチとタケミナカタの共通点はどちらも
①大国主 大物主 風神 龍神
②戦意は無いがやたら強い
と云われています。
インドではヴァルナ?かな。

劇中で化けたハウルは序盤では
ツバメの姿で飛んでいますが、終盤では
カラスのような形相です。
大洪水を逃れたノアが
2回目の大陸探しの命をさずけ
飛ばした鳥がツバメでした。
3回目に大きなカラスを飛ばしました。
八咫烏。ヤタ(大きな)ガラスですね。
神話では「争うのはやめよう」と
先に提案したのは
戦力で優っていたタケミナカタと
最近、判明してきました。
昔は勝負に負けて諏訪から茨城へ
逃げたとされていました。
(改ざんされていた可能性)
マダムサリマンに「戦争は止めましょう」と
将軍に化けて乗り込むハウルはタケミナカタとダブるのでした。

ところがどっこい。
プロメテウスこそがハウルのモデル。
天界の火を盗み、
人々に火の文化をもたらす。
または人類を作った存在。
猿田彦 サタヒコ 土星 サターン

姉ソフィ 妹レティ 姉妹女神

劇中では呪いを受けて
チャンバーになった娘さん、ソフィ。
街のアイドル、レティの姉として
描かれました。
原作では言霊の魔法を備えていると
ハッキリ書いてあるそうです。
そう、彼女も魔法に道中、
目覚めて魔法使いになっていたのです。
宮崎監督は、説明っぽくなっちゃうから
その事を描写せず、
だがそのように描いたらしい事を
インタビューで語っておられます。
これにより誰もが
「思い願いのチカラと実行する勇気で叶えられる」
ことを表現しています。

ソフィはもしや
磐長姫/石長比売
(イワナガヒメ)ではないかと、
疑い始めました。
容姿端麗と云われる木花之佐久夜毘売
(コノハナサクヤヒメ)を妹に持っています。
妹レティはコノハナサクヤヒメとなります。
対照的に姉の磐長姫は醜いと
諸説がありますが、
むしろ磐長姫の方が
【岩のように姿が長久に変わらない姫】として
一部では反論があることも事実です。
美しいのか醜いのか、
間を往来するような女神は
若い娘と老婆にコロコロと
姿を変えるソフィのよう。

カルシファーもまた神である

ハウルと契約し産まれた
火の悪魔カルシファー。
神話にも不遇の最後を迎えた
火の神様がいます。
伊邪那岐伊邪那美の最後の子、
火之迦具土神(カグツチ)です。
日本書紀では火産霊(ホムスビ)と
呼ばれます。
インドではアグニと呼ばれます。

書物には
【母、イザナミを自分が産まれた際に焼いてしまったため、
 父、イザナギに切り捨てられる】と書いてありますが、
これもどうやら改ざんされていたと云われています。
(イザナギのフリをして犯人が葬ったとも)
愛らしい炎のキャラクターは
両親に愛されるべき神だったのではないでしょうか。
尚、酒を呑まされ首を落とされた八岐大蛇は
八大龍王であり、カグツチであり、
鬼八であり、ティアマトかも?瀬織津姫かも?
火産霊かも?
色々可能性がある伝承なのです。
落とされた首が三つ、もう運搬出来ないから
放置した場所が三重県というのも、
ポピュラーな伝説ですよね。

ルシファー 明けの明星

火産霊/カグツチを祀る神社で有名なパワースポットに
群馬県の榛名神社があります。
実際に行きました。
綺麗な川が流れる山奥にある神社です。
榛名という名もヴァルナから由来しているのでは、
と囁かれています。
とても素敵な神社です、おすすめ ↓

3人を陥れた悪神

大己貴を罠にはめて、
磐長姫は嫁にはコノハナサクヤヒメだけでいいから帰れと言い、
迦具土を伊邪那岐に化けて暗殺した、
犯人は瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)と近年の研究で明らかになった。
他国では、マルドゥック/ニムロデと同一視される。
ニニギに陥れられた3人の神が、
銀幕で幸せになるとはなんと粋な演出か。
(【それでも戦争はすぐには終わらなかった】と設定にあるそうです)

ニニギの事が悪く書かれていないのは
藤原不比等が天皇血統を正当化するため、
色々改ざんしました。
天照が男神であったのを持統天皇を正当化するため
女神に換えるなど、
まぁ~たたけば出てくる出てくる。
荒れ地の魔女はマダムサリマンに王宮から追放された為、
復帰を虎視眈々と狙っています。
サリマン(ティアマト/瀬織津姫)に
納得いかない処遇を受けた荒れ地の魔女(ニニギ)が、
復讐の為に、暗躍するのは劇中そのもの。

動く城とは

エンディングでは
動く城は飛ぶ城になっちゃってます。
神々は空を飛ぶ船に乗っていた事を
やんわり視聴者に伝えています。

乗っていたという伝承は神社の名前にもなっています。
磐船神社

饒速日之命(ノア/大黒天)のお墓とも云われる神社です。実際に行きました。
貴船神社

こちらも饒速日、大黒天(魔王様)を祀った神社。
神々の船があった証拠が神社の名そのものです。
ちょっと強引?
実際に行きました。

佐久奈度神社

タケミナカタ イワナガヒメ コノハナサクヤヒメ
と同一視される(可能性の)神様を
祀った祓戸大神四柱を祀る総本宮。
瀬織津姫 伊吹戸主 速秋津姫 速佐須良姫
4人の神様を祀ってます。
この記事を書いた日もお詣りしてきました。
ハウル~の劇中に出てくるキャラが
もしも、祓戸大神の皆さんだったらスゴくないですか。
だいぶ強引では? 
それがジブリ作品はそうとも否定できないのです。 

日を空けて 日本神話を描いたジブリ作品を
取り上げてみます。
名を奪われた饒速日命(ニギハヤヒ)
ご期待くだしあ U^ェ^)

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