三角関数とはpart3 タンジェント
※part4が投稿されるとは限りません
※誤植、間違いがあれば教えてください
3.1.三角比としてのタンジェント
定義1
∠A=90°であるような直角三角形ABCに対し、∠B=x°、AB=c, AC=bとすると、tanx°=b/cと定義される。
例1(二等辺直角三角形におけるtanの値)
∠A=90°とする二等辺直角三角形ABCについて、∠B=45°であり、AB=ACとなるからtan45°=1だとわかる。
問1
part1の例2を参考にして、tan30°、tan60°の値を求めよ。
※part1はこちら
命題1
tanx°=(sinx°)/(cosx°)が成り立つ。
証明
∠A=90°, ∠B=x°, BC=1であるような直角三角形ABCを考えると、part1の命題1からAB=cosx°、AC=sinx°となるため、tanx°=AC/AB=(sinx°)/(cosx°) ▢
3.2.三角関数としてのタンジェント
定義2
x≠90+180n(nは任意の整数)とする。このとき、tanx°=(sinx°)/(cosx°)と定義する。ただしsinx°, cosx°はいずれも三角関数としての定義(つまりpart2での定義)とする。
※part2の記事はこちら
Rem
定義2の出だしでxの範囲を「x≠90+180n(nは任意の整数)」に制限した。これはx=90+180nにおいてcosx°=0となり、tanx°をうまく定義することができない。そのためtanx°は、値が定義されない点xが無数に存在する、すこし変わった関数なのである。
例2(tan135°、tan225°、tan315°の値)
x°=135°, 225°, 315°のときのsinx°とcosx°の値はそれぞれ
sin135°=1/√2、cos135°=-1/√2
sin225°=-1/√2、cos225°=-1/√2
sin315°=-1/√2、cos315°=1/√2
以上から、tan135°=-1、tan225°=1、tan315°=-1
問2
tan150°、tan300°の値をそれぞれ求めよ。
3.3.タンジェントを含む基本的な公式
命題1
x≠90+180n(nは任意の整数)のとき、1+(tanx°)²=1/(cosx°)²が成り立つ
証明
part2の定義1から点(cosx°,sinx°)は単位円x²+y²=1上にあるから、
(cosx°)²+(sinx°)²=1が成り立つことがわかる。よってx≠90+180n(nは任意の整数)よりcosx°≠0なので、両辺を(cosx°)²で割ることにより命題1の等式を得る。▢
以上